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2011年 03月 27日 ( 1 )

『周縁から見た中世日本(日本の歴史14)』(大石直正、高良倉吉、高橋公明著)の第2部の第4章

第4章 組織化された島々

 在地首長としての按司の存立基盤が尚真期に解体し、王を頂点とする官職・位階制度に彼らが取り込まれた。この事を間接的に裏付ける重要な同時代史料が存在する。王が発行した辞令書である。文体は中世日本の候文を基本とし、仮名書きである。琉球では、漢文と共に仮名文が公用の表記として多用された。琉球は、日本で考案された仮名を最もよく活用した王国であった。辞令書の発給者は全て国王であり、発給年月日はすべて中国年号で記されている。しかし、現存するのは、1% にも満たない61点に過ぎない。

 辞令書は首里城で書かれ、その交付を受ける者は首里まで出向かなければならなかった。奄美地域や先島諸島の者たちは、船に乗って琉球中央まで出向く必要があった。琉球王国においては、中央と地方が海上交通のネットワークによって結ばれていた。

 統一王国の立役者である尚巴志の事業は、100年後の尚真の治世によって大きく前進した。
by utashima | 2011-03-27 19:05 | 読書 | Trackback | Comments(0)