7月10日、散歩の途中に寄った書店で
『拡がる宇宙地図』(矢野太平著)を見つけた。出版されたばかりの本である。著者は、数年前から検討が進められている
JASMINE という位置天文観測衛星計画の中心人物の一人である。私も JASMINE ミッションの軌道設計の立場で、検討に参加させて貰っている。という事で、書店でこの本を見つけた時、「あっ、矢野さんの本だ!」と、すぐに手に取ってみた。定価は 1580円。すぐに購入した。
紀元前からの位置天文学の歴史から始まり、第9章の宇宙機によるスペース位置天文学までが、述べられている。96頁に、古代に活躍した人たちと題して、タレス、ピタゴラス、ヒッパルコス、プトレマイオスなどの十数人の先人たちの業績が年表の形で整理されている。各人の生存期間も棒状に表示されており、分かり易い。
天動説でも、各惑星の地球から見た方向はほぼ正確に表現できていた。しかし、天動説では距離情報を示す事はできず、「コペルニクスの地動説により、各惑星の日心距離の相対値が観測データから導かれる」事が、図も用いて分かり易く述べられている。この「」の事は、この本を読んで初めて知った。ケプラーはティコ・ブラーエの正確な観測データを使い、先ず地球の軌道を決めた事が書かれている。その時、火星の公転周期毎の観測データを利用する事で、太陽と火星の位置を固定点とみなすことができ、その2つの固定点からの地球方向から地球位置が決まる事が説明されている。この内容も初めて知った。ケプラーの巧い方法に感心した。
まだ、半分しか読んでいないが、後半も楽しめそうだ。