私の子供たちが、私の希望(強い希望ではなく、何となく進んでくれたら良いな程度)とは異なる方向に進んでいる現実を顧みて、何が我々の進路決定に影響しているのだろう、と最近考える事がある。長男と次男は、医学・スポーツ関係に進んでいる。彼らが小学生の頃に、近所の少年野球に入れた事が影響しているようだ。長女は、幼児教育の方向に進もうとしている。
自分のことを振り返ってみた。自分の進路について考えるようになったのは、中学生の頃。『エイトマン』を観てロボットや人工知能の研究をしたいと思い、1960年代の米ソの有人宇宙船の開発競争のニュースを聞いて、宇宙開発に進みたいとも思っていた。中学1年の時、「将来の夢」というような題で作文のようなものを書かされた事があり、上記の2つの方向を書いた記憶がある。
その後、中学3年の頃、谷一郎著の『飛行の原理』(岩波新書)を読んでからは、飛行機の研究をやりたくなった。どのような経緯で、この本に出会ったのか、覚えていない。学校の図書室で年に何冊か借りて読んでいた気がするが、この本は購入して読んだ。中学(広大附属福山中学)からの帰路に、書店の近くを通ったので、そこで見つけたものと思う。押しなべて、中学時代は、あまり本を読んだ記憶がない。高校生になってからは、ブルーバックス(講談社)の科学関係の本を沢山読んだ。飛行機もロケットも航空工学科に進めば勉強できるという事で、九州大学の航空工学科に入った。
私も小学6年生の時、数ヶ月間だけ学校の野球部に入っていた。同じクラスに野球部のピッチャーがいて野球に興味を持ったから。対外試合で活躍して町内新聞に載ったりしたが、ランニングなどのトレーニングが嫌いなため、数ヶ月で退部した。長男や次男は、トレーニングは厭ではなかったのだろうか。
『飛行の原理』をもう一度読んでみたいと思って家の中を探したが見つからない。私にとって大事な本だが、なくしてしまったらしい。Amazon で探したら中古本があったので注文した。谷一郎氏は東京大学航空学科の教授だった事は知っていたが、
ネットで調べてみると(文字コードを変更する必要があるかも知れません)、はやぶさのイオン・エンジンを開発された國中教授の研究室に繋がる事が判った。