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『JFK(ケネディ暗殺犯を追え)』と『2039年の真実』

 タイトルに記した2冊の本を読んだ。『JFK(ケネディ暗殺犯を追え)』は、映画『JFK』の元になった本の一つであり、この暗殺事件に陰謀の臭いを嗅ぎつけ、米国政府機関を相手にして調査活動・訴訟をした、ニューオーリンズの地方検事ジム・ギャリソンの著作である。映画を既に観ていたので、読んでいると映画のその場面が浮かんできた。『2039年の真実』は、日本人の国際ジャーナリスト落合信彦氏の著作。

『JFK(ケネディ暗殺犯を追え)』(ジム・ギャリソン著)
 この本は1988年に米国で出版され、1992年に日本語訳が出版されている。私が購入したのは1997年発行の29刷である。日本でも沢山の人達に読まれた事が判る。ケネディ大統領は、1963年11月22日(米国時間)にテキサス州ダラス市で暗殺された。丁度その日、アメリカから日本へ初のテレビ衛星中継が行なわれ、ケネディ大統領暗殺のニュースが、リレー1号衛星(八角柱の形状で質量78kg、地球を3時間5分で1周、軌道高度は約1400km~約7400km)でアメリカとほぼ同時に日本にも伝えられた。日本は11月23日の早朝であり、父が寝床に入ったままテレビでこのニュースを見ていたので、当時12歳の私も目を覚まして見たのを覚えている。

 この本の内容については、色々なサイトで紹介されているので、詳しくは記さないが、まるで推理小説を読んでいる様であった。この本の最後の章に、以下のように書かれている。
今日、新たな情報をもとに考察すれば、ケネディ大統領の身に起こったこと、そしてその原因を、かなり正確に推測する事ができる。1963年11月22日にダラスのディーリー・プラザで起こったことはクーデターだったと私は信じている。それを計画し扇動したのは、アメリカ合衆国の情報コミュニティのなかの狂信的反共主義者たちだったと信じている。そして、公式の承認なしにそれを遂行したのは、CIAの秘密工作関係の個々人と政府外の協力者であり、隠蔽工作に手を貸したのは、FBI、シークレット・サービス、ダラス警察、軍部の、同じような思想を持つ個々人だった。目的は、ソ連やキューバとのデタントを求め、冷戦に終止符を打とうとしていたケネディ大統領の努力を阻止することだった。

『2039年の真実』(落合信彦著)
 この本は、最初1977年に出版され、その後1993年に装いを変えて再度出版された。私が読んだのは、1993年に出版された方である。1993年出版のものは、2部構成になっており、第1部は1977年発行のものと殆ど同じであり、第2部に新しい情報などが書き加えられている。

 著者は、1961年にペンシルバニア州にあるオルブライト大学に留学し、1965年に卒業している。この学生生活のど真中で(1963年11月22日)ケネディ大統領の暗殺事件が発生。学生時代から14年間の取材を経て、1977年の出版となった様だ。しかし、著者の事をネットで調べると、ウィキペディアにこのサイトが見つかった。ここを読むと、『2039年の真実』は盗作を疑われ、裁判にまでなったことが判った。最後は和解であったが、私の中でこの本の評価がある程度下がった事は否めない。でも、最後まで読んでみた。

 この本には、1960年頃の、米国社会の状況(黒人差別やマフィアの状況、フランク・シナトラも登場する)や国際政治軍事状況が詳しく書かれている。当時、実際にアメリカで学生生活を送っておられたためであろう、真に迫るものがある。そのような状況を改革しようとケネディ大統領と弟のロバート・ケネディ司法長官が立ち向かった。ケネディ大統領は国民から大きな支持を得ており、暗殺されなければ再選されただろうと書かれている。しかし、余りにも時代の先を進んでいたため、マフィアだけでなく、アメリカ社会の支配層の一部からも敵視されたようだ。著者は、その中でも、その後ウォーターゲート事件を引き起こしたニクソンに注目している。

 著者は、1977年に渡米し、ジム・ギャリソン氏に会っている。ギャリソン氏は、1971年、1972年と続けて、連邦司法局から収賄容疑と脱税容疑で告訴され、裁判には勝ったが、選挙民に悪いイメージを与えることとなり、1973年の地方検事の選挙に敗れてしまった。連邦政府からの悪質な妨害である。そのため、落合氏と会った頃は、粗末なオフィスで法律事務所を開いていた。落合氏は何度も会見を断わられている。ギャリソン氏は、もう、ケネディ暗殺の真相解明を訴えても無駄だと意気消沈していたようだ。最終的には1時間だけと言う約束で会う事が出来た。実際には、話が弾んで、2時間30分近い会見になった。会見が終わる頃、ギャリソン氏は元気を取り戻したようだと書いてある。

 この本の第2部は、1977年~1993年に新たに判った事が記されている。その中で最も重要な事は、1992年3月にアメリカで出版された『ダブル・クロス』であろう。著者は、チャック・ジアンカーナと息子のサム・ジアンカーナである。チャック・ジアンカーナは、シカゴを本拠とするマフィアの大ボスのサム・ムーニー・ジアンカーナの弟である。この大ボスのジアンカーナは、1975年6月に上院外国要人暗殺調査委員会の証人として出頭する数日前に、自宅で殺されている。『ダブル・クロス』は、落合氏が1977年に『2039年の真実』の中に書いた事柄を、完全に裏付けているようだ。落合氏自身が、「全身の血が逆流していくような興奮を覚えた」と記している。『ダブル・クロス』は、『アメリカを葬った男』と題して落合氏が翻訳し出版されている。
by utashima | 2006-11-12 12:55 | 読書 | Trackback | Comments(0)


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