災害監視などのように観測頻度の高い事(ある地点の観測が要求された時に短時間後に観測できる)が重要な衛星ミッションの場合には、直下視だけでは沢山の衛星数が必要になる。そこで、ある程度の観測性の劣化を許容して斜め観測をする事がある。
ポインティング観測という。2006年1月24日に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」に搭載されている
AVNIR-2 (可視近赤外放射計)は、進行直交方向に±44度のポインティング観測が可能になっている。ポインティング観測時の幾何学的関係を下図に示した。オフナディア角θが大きくなると、斜めから見る事になるだけでなく、衛星と観測点との距離も大きくなるため、分解能が悪くなってしまう。斜め観測における直下視観測時の分解能との比を、私は
「分解能の劣化倍数」と呼んでいる。

下図にオフナディア角に対する分解能の劣化倍数を4つの高度に対して示した。地球の曲率も考慮している。「だいち」の高度は約700kmなので、AVNIR-2 の±44度のポインティング観測では劣化倍数は約2.4倍となる。グラフからも判るように、オフナディア角が小さい領域では、高度及び地球の曲率の影響は小さい。なお、地球の曲率を無視した近似では、劣化倍数は、1/(cosθ)^2となる。