今日(2005年7月14日)の
NASA News (from JPL)(News Release: 2005-116, "Software Learns To Recognize Spring Thaw")によると、衛星が地上からの指示なしで自律的に観測すべきターゲットを見つけて有益な観測を行なうソフトウェア・システムの実証に成功しつつあるようだ。そのソフトは、JPL が開発したAutonomous Sciencecraft Experiment (ASE)。New Millennium 計画の
Earth Observing-1 (EO-1)という衛星にそのソフトをアップロードして実証実験が行なわれている。
右の図は、左半分の衛星画像を、そのソフトが右半分に示したように判読した事を示している。南極大陸から大きな棚氷が流れ出したり、どこかの火山が噴火したりした画像を衛星が撮影すると、自分で解析して、地上に通知すると共に、地上からの指示を待たずに必要な観測計画を作って観測を行なう事ができる。単に省力化が期待できるだけでなく、地上を介する事で生じる時間遅れにより、観測のチャンスを逃す様な事が減るだろう。この事は、地球観測よりも、遠くの惑星探査において大きな威力を発揮するものと考えられる。このニュースにも書いてあるが、例えば木星の衛星イオの火山噴火を捉えた時、何時間、何日も後で地上にてデータを解析してその事に気付いても、追加の観測要求を出すタイミングを失してしまうが、宇宙機が自律的に現象を捉えてそこを集中観測する事ができれば、大きな成果が得られる。
私は、ブリザドさんと将来の地球観測衛星の有り方を時々議論するが、このニュースのような衛星の機能は私達も考えていた。既に NASA が実証しつつある事は知らなかった。約1ヶ月前のブリザドさんのブログ記事に、
『災害監視衛星と予測技術を組合せて...』というものがある。この方向に向って進んでいるようだ。