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『ボーイング787 vs. エアバスA380』(ブルーバックス)

 久し振りに飛行機の本を買って読んだ。『ボーイング787 vs. エアバスA380』(ブルーバックス)である。航空工学科の学生だった頃は、当時の殆どの戦闘機や旅客機を知っていたが、20年位前から、それらに対する興味がなくなっていた。エアバスはどのようなシリーズを開発して来たのか、ボーイングの最近のシリーズはどんな特徴があるのか等は、殆ど知らない。ただ、戦闘機のF-35がどうなるかは、気になっている。

 そのような中、ボーイング787が登場し、少し興味を持った。それで、表記の本を読んでみた。この本を読んで知った事を幾つか記す。

(1)「787」は、2003年頃に付けられた「7E7」のままで良いのではという意見がボーイング社内で少なくなかった。中国が「787」に変更するよう強く求めたようだ。8は中国でも縁起が良いので。

(2)「787」では、胴体のほぼ全体、主翼と尾翼のボックスなど、機体フレーム構造の約50%に複合材料が使われている。複合材料を大量に使う事で得られる利点は以下の通り。
  ・客室が快適になる。
  ・疲労、腐食に対する耐久性が向上する。
  ・重量の軽減により燃料消費が低減する。
  ・組立工程時間が削減される。
 最初の「客室が快適になる」は何故か。巡航飛行中の客室内気圧を高くできる事と、客室内の湿度をあげる事ができる事が理由である。これまでの旅客機は、内部を8000ft(2438m)の気圧にしている。金属製の胴体ではこれが限界らしい。複合材料の強度が大きいので、より高い気圧にでき、「787」では6000ftの気圧にしている。
 湿度を上げられるのは、複合材料が腐食に強いからである。通常の旅客機では6~8%(0%の事も)の湿度であるが、「787」では12~15%の湿度である。私は喉が弱いため、飛行機に乗って外国に行くと、喉を傷めて風邪をひく事もあった。15%でもまだ低いので、マスクをした方が良いかも知れない。

 「787」のエンジンは、GE製とロールスロイス製とから選べる。ロールスロイス製のエンジンは、トレント1000。3軸構成である。私が学生の頃に就航したロッキード トライスターのRB211も3軸であった。その技術を改良して、今も3軸エンジンが使われている。GE製は2軸である。2軸と3軸には、それぞれ長所短所があるが、どちらかに淘汰される事なく、それぞれの方式を生産し続けているのは、ちょっと不思議な思いである。
by utashima | 2011-12-03 23:48 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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