第3章 移動する人々
1231年以降、高麗は元の侵略を繰り返し受けた。元に最も激しく対抗したのは、三別抄という精鋭の軍隊。1270年、三別抄は元に服属する意志を示した高麗国王に反発し、反乱を起こした。
三別抄の乱という。全羅道の珍島(ちんど)に拠点を置き、済州島も支配下に置いた。しかし、1273年、元・高麗軍に済州島を攻撃され、三別抄は滅ぼされた。
三別抄を鎮圧した1273年、元は済州島に現地の軍事・行政の責任者を置いた。翌年、済州島に、大船300隻の建造を命じた。日本を攻めるための準備である。これが、1274年の文永の役の軍船となった。