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『縄文の生活誌(日本の歴史01)』(岡村道雄著)

 『「日本」とは何か(日本の歴史00)』(網野善彦著)に続いて、標記の本を読んだ。旧石器時代から縄文時代の終わりまでの最新の成果が書かれている。幾つかの遺跡を舞台に、物語風に当時の生活が書かれている部分もあり、興味深く読めた。2000年11月5日に毎日新聞によってスクープされた遺跡捏造事件も、最後の30ページ余りを使って、当時の状況、今後の課題などが記されていた。

 縄文文化が花開くきっかけとなったのは、氷河期を終えた約1万5000年前からの急激な温暖化であった。縄文時代は、自給自足の貧しい生活と思っていたが、ある程度の地域的な分業も成立した社会であった。日本人の生活の原点のような時代だったようだ。縄文時代の後期には、北九州や西日本において、水稲農耕が始まっていた。大陸から大挙してやって来て弥生人となったのではなく、少数の大陸からの移住者がもたらした文明技術を吸収する形で、縄文人が弥生人になっていったと、著者は考えている。各地の遺跡に残る遺骨から、その事が推察されるという。

 この本を読みつつ、大きな遺跡については、Google Maps で場所を探した。他の情報からの遺跡も含めて、ここの場所の Google Maps に情報を記した。
by utashima | 2009-03-19 20:30 | 読書 | Trackback | Comments(0)


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