超低高度衛星は、高比推力の電気推進系で大気抗力をキャンセルする事で、通常では飛行できない軌道高度を飛ぶ衛星である。という事は、地球周りに限定されるものではない。月は、大気を持たないので対象外であるが、火星には地球より薄いが大気がある。そこで、火星の超低高度衛星の可能性を検討した。
検討前には、高度100km 以下も可能かなと思っていた。火星と地球で主に異なる点は、以下であろう。
(1)太陽からの距離が遠い。地球に比べて、約1.5倍。
(2)重力が弱い。地球の約1/10。
(3)大気が薄い。地表では地球の約1/100。
(1)は電気推進系が要する電力を発生させるには不利である。高効率の太陽電池セルが必要となる。(2)は円軌道速度が小さくなり、抗力が小さくなる。抗力は、速度の2乗に比例する。(3)も抗力が小さくなる。上記の3項の内、2項が超低高度衛星では有利に働く。
2008年11月5日~7日に淡路夢舞台国際会議場で開催された第52回宇宙科学技術連合講演会にて、『火星の超低高度衛星の可能性』と題して講演した。その時のプレゼン資料を以下に掲げる。火星では、高度130kmが限界と判断した。