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『成熟する江戸(日本の歴史17)』(吉田伸之著)の第4章

第4章 市場に集う人々

 本章では、商人の小経営に注目し、生鮮食品を扱う人々とその集団、彼らの活動の場に注目する。

 『煕代勝覧』の画面右端に描かれた今川橋を超えて北に 5 町ほど行くと通新石町に至る。ここから北西側の一帯に広がる多町二丁目・連雀町・佐柄木町・須田町あたりに、日本最大規模の青物市場である神田市場が存在した。300年以上にわたって江戸を代表する市場だった。

 幕府は、江戸城の本丸と西丸で消費される野菜類を、実際の相場よりもはるかに安い「御定値段」で買い上げ、その差損分は御用を請け負う特定の問屋(納人と呼ばれる)が負担した。この負担は相当量に及んだとみられるが、請負人の負担の対価は決して少なくなかったと考えられる。

 幾つかの品目については、青物・土物(根菜)・水菓子(果物)一般とは異なり、専門に扱う少数の問屋を納人とする体制がとられた。このような品目として、慈姑(くわい)・蓮根・長芋・山葵・きのこ・辛子などがあり、水菓子では柑子類(蜜柑)・甲州物(葡萄)・立石柿(長野県飯田市周辺の串柿)の三つがある。慈姑は、水生の多年草で湿田で栽培され、その塊茎を食用とする。正月や祝い事に多く用いられ、高級な根菜として珍重された。

[私の思い出]
 私の母(現在94歳)も、毎年の正月料理には必ず慈姑を入れていた。私はあまり美味しいとは思わなかったので、何故珍重されたのか、不思議である。現在、広島県福山市(私の故郷・尾道の東隣)が日本の生産量の8割を生産している。

 下総国千葉郡の江戸湾に面する地域は、武州入間郡とともに江戸近郊の薩摩芋の一大産地を形成していた。薩摩芋と言えば、享保年間(1716~1735)に飢饉に備えるための作物として普及に尽力した青木昆陽が有名であるが、彼が本格的に栽培法を教えたのが、下総国千葉郡馬加村(現在の千葉市花見川区幕張町)とされ、ここに昆陽神社が作られている。

 老中水野忠邦が中心となって推進した天保改革の過程で、目玉の一つとして下総国の印旛沼掘割の開削工事が1843年から開始された。印旛沼と江戸湾を水路で繋ごうとするもの。江戸湾から印旛沼を経て、当時の物流の大動脈であった利根川に入るルートを開削するという雄大な構想である。この構想は、享保改革の時や天明のはじめ田沼意次政権にも見られ、ともに着工されたが、いずれもすぐ中止されている。目的の一つに、外圧に対する備えもあった。外圧への備えとは、江戸湾が外国艦船によって封鎖された時のために、利根川舟運による江戸への物資運搬ルートを整備しようというもの。5つの大名の分担により実施されたが工事は難航、江戸湾寄りが唯一完成しただけで、工事は中止された。

 町角でいろいろな生活必需品を売る木戸番屋は商番屋と呼ばれ、木戸を管理する番人の住居でもあった。『煕代勝覧』にもこうした商番屋が何ヶ所か描かれている。商番屋は、現代の駅のキヨスクか町内のコンビニのような小店舗だった。

 江戸には、4つの魚市場が存在した。日本橋、新肴場(しんさかなば)、四日市、芝雑魚場(しばざこば)である。四日市は、明暦大火の後、日本橋川沿いに防火帯として設定された江戸橋広小路の場所である。芝雑魚場は、現在の JR 田町駅と浜松町駅のほぼ中間点に当たる。日本橋の魚河岸については、『再現日本橋魚河岸地図』サイトを参照。現在の地図との比較もできる作りになっている。現在の中央区日本橋室町1-10-8タガワ宝石店脇に、三浦按針屋敷跡の碑がある。そのあたりは、かつて按針町と呼ばれていた。三浦按針は、17世紀初めに来日したイギリス人ウィリアム・アダムス。相模国三浦郡に知行地を貰い、三浦按針と名乗った。こちらのサイトも参照。
by utashima | 2012-02-26 23:00 | 読書 | Trackback | Comments(0)

LibreOffice3.5を設定

 暫く前から、OpenOffice から LibreOffice に乗り換えている。今日まで 3.4.3 を使って来た。OpenOffice と全く同じように使えるが、ヘルプ・メニューに「更新のチェック」が無いのが、不満だった。今日、LibreOffice のサイトを見ると、3.5.0 が公開されていて、「更新のチェック」も実装されている。更新の有無を指定した間隔で自動的にチェックし、更新があればダウンロードも自動でやってくれる設定も可能。

 早速、3.5.0 をダウンロードし、使い始めた。
by utashima | 2012-02-19 16:12 | パソコン | Trackback | Comments(0)

『成熟する江戸(日本の歴史17)』(吉田伸之著)の第3章

第3章 身分的周縁---勧進と芸能

 この章では、下級の宗教者と芸能者を取り上げる。江戸における乞食坊主である願人(がんにん)と、江戸にしか見られない特異な下層芸能者の呼称である乞胸(ごうむね)である。

 願人坊主は三都(江戸、京都、大坂)に居た。比叡山延暦寺の僧が江戸の役所に出願のために下り、そのまま滞在しているうちに資金が尽きて困窮に陥り、市中を乞食して回るようになったのが、始まりという。出羽羽黒山系と京都鞍馬山系の二派の集団がおり、それぞれ戯謔(ぎぎゃく)を生業としていたという。戯謔とは、木魚を腰にたらして打ち鳴らしながらお経を唱え、銭を乞い歩いたり、数人で踊り巡る「住吉踊り」をする事などを指している。住吉踊りは、大道芸の代表的なものとみなされている。

 願人たちは、以下の4ヶ所に住んだ。
  a.橋本町・江川町・・・・・・・現在の千代田区東神田付近
  b.下谷山崎町二丁目・・・・現在の台東区北上野付近
  c. 四谷天龍寺門前・・・・・・現在の新宿区南新宿付近
  d.芝新網町・・・・・・・・・・・・・現在の港区浜松町付近
これらは場末と言われる地域であり、明治以降、貧民窟化する。

 a の神田橋本町1~4丁目は1657年の明暦大火の頃は、多くの寺院が集まる寺町地区であった。1975年、この地の都立一橋高校の校舎を改築する工事の最中に、江戸時代初めのものとみられる多数の人骨が発見され、かつてここに墓地があった事が確認された。そして緊急発掘調査が行なわれた。この調査は、「埋もれた江戸」を掘る本格的な近世考古学の出発としても記憶されている。明暦大火後に、この場所にあった寺院は郊外に移転し、その跡地が墓地ぐるみ町人地として再開発された事が分かった。

 江戸の歌舞伎は、寛永年間を画期に4つの狂言座を中心に確立して行く。中村座、市村座、森田座、山村座である。この4座は常設の芝居小屋を特定の町に営むことを許された。1714年2月に、大奥女中絵島と山村座の役者生島新五郎とのスキャンダルにより山村座が取り潰され、江戸の官許の歌舞伎は、3つの狂言座によって担われた。実際には、三座以外にも沢山の芝居と狂言座が存在した。

[願人]
デジタル大辞泉によると、江戸時代、門付けをしたり、大道芸能を演じたり、人に代わって参詣・祈願の修行や水垢離(みずごり)などをした乞食僧。垢離(こり)とは、神仏に祈願する時に、冷水を浴びる行為のこと。水垢離(みずごり)、水行(すいぎょう)とも言う。垢離は漢語には見当たらず、純粋な和語と考えられている。
by utashima | 2012-02-10 21:31 | 読書 | Trackback | Comments(0)

Google Earth 6.2.1 の異常表示

c0011875_1282994.jpg 先日、家庭の PC 上の Google Earth を最新版 (6.2.1) に更新した。すると、右図のように、地球が透明になってしまっている。職場の端末にも同じバージョンの Google Earth を設定しているが、そちらは正常。

 原因は分からないが、Google Earth のメニューから 「ツール」→「オプション」 を押し、グラフィックモードの設定を、OpenGL から DirectX に変更すると正常に表示されるようになった。以前のバージョンを使っていた時のグラフィックモードの設定を確認していないので、前から OpenGL では正常に表示されなかったのかどうか、分からない。職場の PC に設定した Google Earth はデフォルト設定のままなので、OpenGL を使っていると思うが、来週、確認しておこう。

[追記(2012年2月10日21時)]
 DirectX の設定でも問題が解消していない事に気付いた。地球全体の表示では正常だが、日本列島が画面いっぱいになる程ズームすると、衛星写真が消えて薄紫色一色になる。

[追記(2012年2月12日13時)]
 6.2.0 を設定できるサイトがあったので、ダウンロードして設定したが、6.2.0 ではなく、5.2.1 だった。でも、表示は正常なので、当分これを使用する。
by utashima | 2012-02-10 12:20 | パソコン | Trackback | Comments(0)

リビングの石油ファンヒータの換装

 数日前からリビングの石油ファンヒータ(ダイニチ製FW-361L)の点火が正常でなくなった。換気サインが点いて消火する。購入したのは、2005年11月なので、6年以上経つ。同じ2005年の3月に同じメーカーの石油ファンヒータを購入しているが、そちらは正常。

 そこで、単なる寿命とは異なるかも知れないと思い、ネットで調べて見た。ダイニチのこちらのサイトに詳しく説明されていた。ヘアトリートメント等の製品に含まれるシリコーンが原因らしい。娘がリビングで髪の手入れなどをしているのが原因かな。シリコーンが原因の場合、温風吹き出し口が白く変色すると上記サイトに書かれている。正にその状態だった。
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 今日、ダイニチのほぼ同じ能力の FW-377LE を購入してきた。右の写真がそれ。娘には、石油ファンヒータから離れて髪の手入れをするように話して。同じ部屋でやれば、完全には防げないかも知れないが、効果はあるだろう。
by utashima | 2012-02-04 12:43 | 省エネルギー | Trackback | Comments(0)

View Suicaカードの更新

 今日、View Suica カードの更新用新カードが送られて来た。普通のクレジット・カードに比べて、更新手続きが面倒だ。旧カードに、JR東日本で使える金額がある程度残っている。その金額は、新カードに引き継がれないために、面倒な事が要求されている。近くの駅に ViewAltte があれば、そこで残金の払戻ができるが、私の近所の「ひたち野うしく駅」には、ViewAltte が置かれていない。そのような人は、旧カードにハサミを入れて返送してくれ、と書いてある。
 そこで、返信用封筒を探したが、入っていない。仕方なく、封筒代と郵便料金を自分で負担。普通のサービス会社では、このような場合、返信用封筒(切手不要)を同封している。JR東日本には、サービスの改善をお願いしたい。
by utashima | 2012-02-02 19:37 | イベント | Trackback | Comments(0)