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私の好物バニラ・フレンチ

 毎日、夕方の散歩の時、近所のスーパーマーケットに寄り、パン等を買うのを日課にしている。スーパーマーケットの中にベーカリーがあり、そちらで砂糖をまぶした「ねじりパン」を時々買う。このパンには、思い出がある。私が小学生の頃、毎日午後3時頃に近所の八百屋で買っていた 5 円のパンにとても良く似ている。今は 84 円。

 スーパーマーケットの菓子パンコーナーで気に入っていたのが、「バニラ・フレンチ」というフジパン製のもの。このパンを見かけたのは、数ヶ月前かな。はっきりしないが、そんなに昔ではない。私はフレンチ・トーストが好物なので、このパンを見つけた時はすぐに買った。付属のお皿も食べられる。それ以後、スーパーマーケットで頻繁にこれを買った。ところが、数週間前から、そのスーパーマーケットで、「バニラ・フレンチ」を見かけなくなった。とても残念だ。1年位前にも、私が毎週のように購入していた昔懐かしい「あわおこし」が店頭から消えた。私の好きなものは、このスーパーマーケットでは余り売れていないのだろうか。

 最近は、ひたち野うしく駅の近所にある DVD レンタル店 「WonderGOO」 に毎週のように出かけているが、その駅前に昨年12月から西友がオープンしている。DVD を借りた後、西友に歩いて行くパターンが多くなった。運動のため。この西友で、「バニラ・フレンチ」を見つけた。ここに毎日は来れないが、WonderGOO に行った時は寄って買う積もり。
by utashima | 2007-02-25 14:34 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(0)

ハロー軌道での Forced Formation Flight

 以前の記事で、ハロー軌道における natural formation flight について紹介した。natural formation flight は、軌道保持制御を必要としない formation flight なので実現が容易であるが、個々のミッション要求に応える formation を実現できない事が多い。そこで、本記事では、ハロー軌道において常時連続的な推力を利用して実現する formation flight について紹介する。ここで紹介する内容は、以下の文献(1)をベースとしている。

(1) K.C.Howell, B.G.Marchand, “Control Strategies for Formation Flight in the Vicinity of the Libration Points,” AAS 03-113, 13th AAS/AIAA Space Flight Mechanics Meeting, Ponce, Puerto Rico, 9-13 February 2003.

解析の目的
 太陽-地球系 L1 又は L2点ハロー軌道において編隊飛行の制御の可能性を検討する事

前提 or 仮定
・ formation の中心的存在の宇宙機を chief と呼び、その他の宇宙機を deputy と呼ぶ。
・ chief 宇宙機の軌道制御は本論文の対象外であり、例えば、通常のハロー軌道を飛行する宇宙機と同様に、地上で軌道決定され、地上から送られるコマンドによって軌道保持されると考える。
・ 各 deputy 宇宙機は、chief 宇宙機との相対位置のみ独立に保持する。deputy 宇宙機間の相対位置・速度の計測は行なわない。
・ 制御法として、主に LQR (Linear Quadratic Regulator) と IFL (Input Feedback Linearization) を使って検討する。

Nominal Formations
 円制限三体問題の無次元化された運動方程式は、以下の様に表される。太陽-地球系の重心を原点とする回転座標系を使う。太陽から地球に向かう向きに x 軸を採る。ここでは、x 成分だけを記す。
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 deputy 宇宙機の chief 宇宙機からの相対位置座標 (xd, yd, zd) を上と同じ座標系で表わすと、deputy 宇宙機の運動方程式は、次式となる。x 成分だけ記す。
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ax は、deputy 宇宙機が発生させる推力加速度の x 成分であり、Δfx(...) は以下の定義である。
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 deputy 宇宙機の nominal の相対位置と速度が時間に対して与えられれば、(2)式等から、deputy 宇宙機が発生しなければならない推力加速度 ax 等が求められる。文献(1)では、例として、回転系に固定の formation の場合と、慣性系に固定の formation の場合が検討されている。

回転系(太陽-地球ライン固定座標系)に固定の formation の場合
 chief 宇宙機と deputy 宇宙機を結ぶ基線が、x 軸に垂直な面内にある formation の場合が所要推力加速度がほぼ最小となり、その基線が x 軸に並行な場合に、所要推力加速度が最大となる。サイズ Ay≒69万km のハロー軌道において相対距離 5000km の formation の場合、年間当たり必要な nominal 増速量は、21.6m/s~53.8m/s となる。平均推力加速度で表現すると、0.68e-6~1.71e-6 m/s2 である。宇宙機の質量を 1000kg と仮定すると、必要な推力は、0.68mN~1.71mN となる。
 formation を維持するための推力加速度は、formation の相対距離にほぼ比例するため、TPF-I の場合の様に、formation の相対距離が 100m 程度の場合は、必要な推力は0.014μN~0.034μN と非常に小さい。

慣性系に固定の formation の場合
 サイズ Ay≒69万km のハロー軌道において相対距離 5000km の formation の場合、年間当たり必要な nominal 増速量は、25m/s~67m/s となる。回転系に固定の場合より多少大きい。宇宙機質量を 1000kg とすると、必要な平均推力は、0.79mN~2.1mN である。相対距離が 100m の場合は、0.016μN~0.042μN となる。

Formation Control
 文献(1)では、主に LQR (Linear Quadratic Regulator) と Input Feedback Linearization (以下、IFL と記す) を使って、初期投入誤差がある場合の制御シミュレーションを行なっている。但し、航法誤差と制御誤差(スラスタ誤差) は無視している。両手法ともに妥当な制御結果であったが、LQR は IFL に比べて計算量が多いため、IFL の方が適切としている。
 以下に、IFL について、簡単に紹介する。LQR もそうであるが、IFL も制御量の算出に全ての状態量を知っている事が必要である。IFL における制御則は次式の様になる。x成分のみ記す。
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* の付いた量は nominal 値であり、x と x-dot が計測により判ると、(4)式から得られる ax をスラスタにより発生させる事で、nominal 軌道が保持される。左辺第2項と第3項の係数は、この系が臨界振動するように設定されている。臨界振動の場合、nominal 値からのずれは、exp(-ωn t) の形で減少するため、nominal に達するまでの時間を考慮して ωn を設定する。文献(1)のシミュレーションでは、1日以内に初期投入誤差を取り除くために、約1000の ωn を使用している。文献(1)では 1年を 2π とする無次元化をしているので、ωn=1000 の時には初期投入誤差は exp(-1000×t(日)/58)=exp(-17.2×t(日)) の形で減少する筈。

 以下に IFL のシミュレーション結果を紹介する。基準のハロー軌道は L1 点周りのサイズAy≒69万km のものであり、回転系に固定の formation (相対距離5000km、y 軸方向の基線(コスト最小の方向)) を対象としている。初期投入誤差として、deputy 宇宙機の位置誤差9.3km と速度誤差 1.7m/s を設定している。図1 に文献(1)の Figure 12 の一部を掲げる。ωn=1250 としている。19 時間後(約0.8日後)に位置誤差は 1m まで小さくなっている。図中の ΔVIFL=14.46m/s は初期投入誤差のある状態から1周回(約半年間)の保持に使用した速度増分である。このシミュレーションでは、航法誤差と制御誤差は無視しているので、初期投入誤差が無い場合は、ΔV は nominal formation の維持に必要な10.83m/s となる。
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 文献(1)では、航法誤差と制御誤差を正式に組み込む代わりに、(4)式における x、x-dot 等の計測により判る量に白色ノイズを加える事で、近似的に誤差の影響を議論している。位置誤差が 1m、速度誤差が 1cm/s の場合、保持に要する ΔV は、誤差なし時の5~6倍になっているが、IFL の方が25%も小さい。TPF-I での要求値に近い位置誤差1cm、速度誤差1mm/s の場合には、保持ΔVの増加は微小(2%以下)である。

 文献(1)の制御法では、時々刻々の deputy 宇宙機の全相対状態量を知る必要がある。基線に垂直な方向の精度は恒星センサーの精度(0.001度程度) により規定されるため、cm レベルの精度で知るには、相対距離は 1km 程度が限界となる。TPF-I は、100m 程度の基線長で計画している。しかし、TPF-I は先の記事に記したような回転 formation を考えており、このために mN レベルの推力が必要である。然しながら、ハロー軌道から 100m 程度離れた編隊飛行であるため、発生させる推力の誤差を平均的には 0.01μN レベル以下に抑える必要があると考えられる。つまり、最大推力の 1e-5 以下の微調整能力が必要となる。因みに現時点では、最大推力が 100μN 程度の FEEP の推力微調整能力は 1e-3 程度である。

まとめ
 主に文献(1)を参照して、連続推力によるハロー編隊飛行について紹介した。まとめると、以下のようになろう。

(1)必要な航法精度と制御精度(スラスタ精度)が得られるならば、相対距離が数万km までのどのような formation も可能である。逆に言えば、現時点での航法誤差とスラスタ誤差が、可能な formation のサイズと精度を規定している。
(2) formation 制御において全ての相対状態量を知る必要があるならば、恒星センサーの現在の誤差約0.001 度が、formation のサイズを規定する。相対距離1000m において 1cm レベルの相対位置精度の実現が限界である。
(3)必要な制御量、推力値は、formation のサイズにほぼ比例する。
(4)宇宙機質量を 1000kg と仮定すると、相対距離が 5000km で mN レベルの推力が必要である。
(5)宇宙機質量を 1000kg と仮定すると、相対距離が 100m で 0.01μN レベルの推力が必要である。
(6)必要な推力の分解能は、文献(1)では推力誤差を考慮していないため、不明である。
(7)ESAでは、最大推力が約100μN の FEEP に対して、0.1μN レベルの微調整能力を地上試験で確認している。
(8)TPF-I では、14 時間周期の回転 formation を考えており、そのために最大推力は mN レベルが必要であるが、相対距離が 100m と小さいため、平均的には 0.01μN レベルの微調整能力が必要となる。
by utashima | 2007-02-24 09:29 | 宇宙開発トピックス | Trackback | Comments(0)

C ドライブを圧縮

 2006年7月の記事に、職場で使っている PC の C ドライブの残容量が減った事を書いた。あれから約半年が過ぎた。今年2月の Microsoft Update を実施すると、C ドライブの残容量が 200MB 以上減少し、770MB 程度になった。今までの最低レベル付近まで減少した。

 現時点で PC の使用に特に問題が生じている訳ではないが、これ以上放置しておけない気持ちになり、Windows Xp が提供している機能の 「C ドライブの圧縮」 を行なった。初めて実施した。

 振り返ると、10年位前に、AI ソフトというパソコン・ソフト会社の HD 圧縮ツールを購入して、家庭の PC で使った事がある。使用説明書の記載通りに使っていたが、そのツールのバグのために、データを失った。AI ソフトに問い合わせたところ、「我が社のソフトのバグです。申し訳ありません」という返事を貰った。幸い、私はバックアップを取っていたので、消えたデータはすぐに復元できた。この経験があるので、それ以後は、HD 圧縮ソフトには、見向きもしなかった。

 しかし、今回は、他に良い方法が思い付かないし、OS 作成会社が提供している機能という事もあり、思い切って使ってみた。その結果を紹介する。

 C ドライブのプロパティ画面において、最近50日間に使っていないファイルを圧縮する設定にし、実行した。圧縮の進行はゆっくりであり、1時間近く経っても 50% 程度しか終わっていない。しかし、60%位を過ぎた所から急速に進んで終了した。1.5時間程度掛かった。PC を再起動し、無事に立ち上がる事を確認した。C ドライブの残容量は、圧縮前の 770MB から、圧縮後は 1950MB になった。1180MB 程度増えた。OS の起動も幾分早いような気がしたが、錯覚かも知れない。

 C ドライブの圧縮が影響を与える可能性のある事として、ウイルス検索の速度の変化がある。2,3日前に、C ドライブの全ファイルのウイルス検索の時間を計測していた。25分掛かっていた。C ドライブ圧縮後にウイルス検索の時間を計ると、19分であった。約25%高速になっている。これは、嬉しい副産物だ。圧縮ファイルを解凍するために余分に必要になる CPU 時間より、圧縮によりファイルサイズの小さくなった事による HD からの転送時間の減少の方が上回ったためであろう。

 今回の C ドライブの圧縮は、良い事尽くめであった。今後も C ドライブの残容量は Microsoft Update の度に減少するであろうが、C ドライブの圧縮対象ファイルを「最近50日間使っていないファイル」(今回の設定)から「最近10日間使っていないファイル」などに変更すれば、良かろう。データ・ファイルを格納している D ドライブも圧縮すると、アクセス速度が向上するかも知れない。しかし、圧縮ファイルの動作を十分に理解していないので、暫く様子を見よう。

[追記]
 私が使っている職場の PC は、 D ドライブの残容量も 4GB を切っている。気になりつつある。OS の圧縮機能を使うと、どの程度サイズが小さくなるか、家庭の PC で試してみた。PDF ファイルは殆ど小さくならなかった。WORD ファイルは、数個試した範囲では、全く小さくならないもの、75%になったもの、等があった。STK (Satellite Tool Kit) で作成したデータを保管しているフォルダを圧縮してみた。約75%になった。この程度でも、D ドライブの残容量の増加に効果があろう。
by utashima | 2007-02-16 21:38 | パソコン | Trackback | Comments(2)

プリペイド携帯

 私は携帯電話を持っていないが、家内は数年前からプリペイド携帯電話を使っている。購入した時は、J-Phone という会社であった。そこのPj (東海) というプリペイド携帯電話である。少し経って、ボーダフォンという会社に替わり、今回、ソフトバンクに替わった。最近は、会社名が変わる事が多いなぁ。

 今日、リチャージのために、ローソンに行き、ソフトバンクに替わった事を思い出した。サービスが継続されているのは助かる。しかし、通話料は、以前の80円/分から120円/分に、50%の値上げである。我が家の場合、このプリペイド携帯は主に待ち受けに利用しているので、値上げの影響は小さい。約月1000円で携帯電話が使えている。
by utashima | 2007-02-10 18:25 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(4)

『機械工学便覧 応用システム編 γ11』 の発行

 2007年2月初め、『機械工学便覧 応用システム編 γ11 (宇宙機器・システム)』 (丸善、定価4830円(税込)) が届いた。これは、2003年から順次全面改訂されつつある機械工学便覧の 1 冊子であり、今回新設されたものである。

 私は、惑星間軌道の中の L5 軌道 (太陽-地球系の第5ラグランジュ点の軌道) についての執筆を依頼され、2002年9月に初稿を提出した。発行までに 4年以上掛かっている。L5点だけに留まらず、L1, L2点軌道や地球ドリフト軌道についても記載し、全209頁の中の約4頁を担当した。僅かな頁数であるが、歴史と伝統のある機械工学便覧の執筆に参加させて頂いた事に感謝している。
by utashima | 2007-02-09 20:46 | イベント | Trackback | Comments(0)

外灯の電球をパルックボール・スパイラルに

 今日(2007年2月6日)帰宅してみると、玄関の外灯の電球が切れていた。外灯には E17 口金の25W の電球を使っていた。当初は 40W の電球を使っていたが、電気を節約するため、25W に落とした。その代わり、防犯の事も考えて、一晩中点けている。そのため、もっと省エネの照明器具に変えたいと思っていた。

 丁度良い機会なので、近所のヤマダ電機に行き、松下電器のパルックボール・スパイラル(EFD10EL/8/E17)を 880円で購入した。8W で 40W の明るさ。寿命は電球の 4倍、電気代は 1/5 である。毎日12 時間使うとして、年間総コスト (球の代金+電気代) がどの程度少なくなるか、計算してみた。以下の通りである。

[今後]パルックボール・スパイラルは寿命 8000 時間なので、667日間使える。 
 球の代金:年間 482円
 電気代 :年間 806円
    計 :年間1288円

[今まで]40W の電球として (最初に 440円程度と書きましたが、その半額程度でした。)
 電球の代金:年間 482円
 電気代   :年間4030円
    計   :年間4512円

以上より、年間3224円の節約となる。かなりの金額である。

 我が家では、廊下の天井等に E17 口金の電球を沢山使っている。これらを全てパルックボール・スパイラルに変更できれば、かなりの節約になる。ところが、パルックボール・スパイラルは、口金は同じでも、発光する部分のサイズが大きいため、取り付けられない箇所が多そうだ。今後、取り付けられる箇所を調べよう。

[追記(2007年2月23日)]
 前日に風呂場の2つの電球(40W)の一つが切れた。パルック・ボール・スパイラルを取り付けられる場所だったので、本日、パルックボール・スパイラル(EFA10EL/8)を買って来て取り付けた。消費電力8Wで電球40Wの明るさ、寿命6000時間。1つ970円だった。横浜出張の帰りだったので、ひたち野うしく駅前の西友で買った。これは割高だった。近所のヤマダ電機では、820円だった。ちょっと後悔している。

[追記(2007年3月4日)]
 昨夜、玄関の室内灯の電球が切れた。54Wの電球が使われていた。そこで、40W相当と60W相当のパルックボール・スパイラル(口金E17、どちらも880円)を買って来て取り付けてみた。この室内灯には半球形状の覆いが付いている。60W相当のものは長過ぎて覆いが取り付けられない。40W相当の方は、覆いの内側に少し接触しているようだが、覆いを取り付ける事ができた。多少暗いかも知れないが、暫く使ってみよう。
by utashima | 2007-02-06 20:57 | 省エネルギー | Trackback | Comments(9)

『シバの女王』(レイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ)

 数年前に、「ポール・モーリア ベスト・ヒット50」という 2 枚組の CD を買った。懐かしい曲が沢山あるが、2枚目の最後に『シバの女王(ディスコ・バージョン)』がある。『シバの女王』は、私が高校生の頃持っていたレイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ演奏の LP レコードに入っていて、毎日のように聞いていた。とても、懐かしい曲だ。ポール・モーリアの CD に入っているのは、ディスコ・バージョンなので、大分趣が異なる。私はレイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラの演奏の方が好きだ。

 先日、ネットで探していると、OnGen という音楽販売サイトがあるのを知った。そこで、レイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラの演奏の『シバの女王』を見つけ、早速購入した。150円。こんなに簡単に、廉く、聞きたい曲を買えるとは。ついでに、レンタル DVD 店で流れていて、また聞きたいなと思っていた長沢まさみの『セーラー服と機関銃』も 200円で買った。
by utashima | 2007-02-05 20:30 | パソコン | Trackback | Comments(0)

ハロー軌道での Natural Formation Flight

1.はじめに
 TPF-I ミッションのように太陽-地球系 L1 or L2点で編隊飛行する計画が検討されている。TPF-I は常時推力を発生させて formation を維持する計画であるが、本記事では、推力を用いないで、太陽-地球系 L1 or L2点ハロー軌道でどのような編隊飛行が可能であるかを紹介する。推力を用いないで可能な編隊飛行を natural formation flight と言う。複数の宇宙機がある程度の範囲に適当に分散して飛行するだけで良いミッションには好都合な formation flight であろう。
 本記事では、図1 に示した宇宙機 A,B,C の3機の natural formation flight を、L2点で展開して得た線型解を使って検討する(文献(1))。特に、基線AB, AC, BCの変化に着目して。そして、最後に、別の natural formation 軌道である quasi-halo orbit (準ハロー軌道) について紹介する。文字が鮮明でない図は、図の上でクリックすると、もう少しクリアな図が表示される。
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2.L2点近傍の線型周期解
 初めに、L2点近傍の線型周期解を示す。導出は、文献(2)を参照して戴くとして、ここでは結果のみ示す。以下では、特に指定しない限り、以下の基準値で無次元化した無次元量を使用する。
  長さ:1AU (=1.49597870 e11 m)
  時間:1年/(2π) (=365.25636日/2π=58.13235519日)

 図1 の座標系により、L2点近傍の周期軌道は次式で表わされる。
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α1、α2、β1、β2は積分定数。BL、Cy1、λp は、天体系に依存する定数であり、太陽-地球系 L2点の場合は、以下の値となる。
   BL=3.940522189 、λp=2.057014192、Cy1=3.18722929
 t=0 において、y=0, z-dot=0, z>0 とする(図1 の A)。すると、(1)式より、α2=π, β2=0 となる。従って、図1 の宇宙機 A の運動は、次式で表される。
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線型解では、λp と sqrt(BL) とは僅かに異なるため、(2)式の周期解はハロー軌道ではなく、リサジュ軌道となるが、おおよその傾向は掴める。図2~5 に、y 方向のサイズ(半径) Ay が70万km の trajectory と速度を示す。
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3.3つのアーム長とその変化率
 本章では、宇宙機 A, B, C で作られる AB, AC, BC という3つのアーム(基線)の長さとその変化率を示す。基準となる宇宙機 A のハロー軌道の Ay は 70万km とする。図6と図7に、各アームの長さとその変化率を、初期アーム長 L0 (図1 に位置におけるアーム AB とアーム AC の長さ)で割った値として描いた。
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 図6 を見ると、相対距離は、1 周の間(約180日) に平均値の周りに±50% 程度の大きな変化があるが、図7より、相対距離変化率は、アーム長 100m に対して、4e-5m/s 程度の大きさに過ぎない事が判る。L0≒100m の TPF-I の光干渉計ミッションに適用した場合、無推力の下で相対距離変化が 10cm 以下に留まる最小時間は、約42分間となる。TPF-I は、以前の記事で紹介したように、14 時間周期で回転させるような複雑な運用をするようなので、ここで示した natural formation flight は使えないが。

4.補足
 最後に、ハロー軌道のもう一つの natural formation flight 軌道を簡単に紹介する。文献(3)の27頁に載っている下の図が、それであり、準ハロー軌道 (Quasi-Halo Orbit) と呼ばれている。これは、従来のハロー軌道を包むような形のトーラスの表面を飛行する軌道であり、2つの周期を持つ。ハロー軌道を飛行する宇宙機と、その近傍の準ハロー軌道を飛ぶ宇宙機との相対距離は、最大値/最小値の比が、約 4 程度の変化をするようである。
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参考文献
1)歌島, “ハロー編隊飛行の線型解析,” JAXA技術資料 BDC-06015, 2006年.
2)歌島, “ラグランジュ点近傍の軌道力学,” 宇宙開発事業団技術報告 NASDA-TMR-960033, 1977年3月.
3)Jerrold Marsden, Wang Koon, and Martin Lo, “Dynamical Systems and Space Mission Design.
by utashima | 2007-02-03 15:15 | 宇宙機の軌道設計/ 解析 | Trackback | Comments(0)