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Mars Reconnaissance Orbiter の高性能カメラ

 今日の JPL からのニュースが、Mars Reconnaissance Orbiter (MRO) がミッション軌道に到着してから最初の画像を取得したと伝えている。MRO の高解像度カメラ (High Resolution Imaging Science Experiment (HiRISE)) が、 280km の高度から捉えた物。1 pixel が 30cm であり、90cm のものまで認識できるとしている。

 高解像度カメラは、どのような構造をし、仕様を持っているのか、簡単に調べてみた。以下の画像は、MRO のカメラを、Mars Global Surveyor のものと比較したもの。画像をクリックすると、より鮮明に見えます。
c0011875_1223591.jpg

 Mars Global Surveyor よりも 5倍も分解能が向上している。数年前に火星着陸に失敗した Mars Polar Lander を見つける事も出来ると書かれている。

このサイトには、HiRISE の性能がより詳しく書かれている。焦点距離を稼ぐために、副鏡で折り返した光を、主鏡の裏側で何度か折り返している様子も、そのサイトを見ると判る。以下に性能の概要を記す。
 カメラ全体では、直径 70cm、長さ 140cm である。光学系の口径は 50cm である。観測バンドは、BG(400~600nm), Red(550~850nm), NIR(800~1000nm) の 3バンド。SNR は 100 以上。観測幅は、6km 程度と狭い。

 更に詳しい情報が、このPDFファイルに記されている。最大 128 lines の TDI が可能である事、スペクトル特性、MTF のグラフなど。

[追加情報]
 ブリザドさんが、HiRISE センサーの質量も載っている PDF ファイルを見つけて下さった。感謝。なんと、63kg に過ぎない。
by utashima | 2006-09-30 11:34 | 宇宙開発トピックス | Trackback | Comments(0)

最近のΔ-DORの精度

 今年(2006年)6月に金沢で開催された『第25回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)』で発表された論文の中で、以下のものも興味を引いた。

(1) ISTS 2006-d-49, "A GLOBAL APPROACH TO DELTA DIFFERENTIAL ONE-WAY RANGE", James S. Border
(2) ISTS 2006-d-50, "USE OF VERY LONG BASELINE ARRAY INTERFEROMETRIC DATA FOR SPACECRAFT NAVIGATION", T. Martín-Mur, P. Antreasian, etc.

 (1) はΔ-DOR (Delta Differential One-way Range) の最近の精度向上について述べ、世界の宇宙機関が Δ-DOR 計測システムに参加することで、より多くの基線を利用できるようになりメリットが大きい事を記している。(2) は搬送波の位相を使う VLBA (Very Large Baseline Array) が話題の中心であるが、比較の対象として、Δ-DOR の情報も多く載っている。

c0011875_10231222.jpg 1998年に私が出版した『太陽-地球系 L4, L5点近傍軌道の摂動解析』(NASDA-TMR-980010) の中に、電波で宇宙機の位置を計測する時の精度のグラフを載せている。右のものである。これは、1984年の以下の論文の図を描き変えたものである。
  J.F.Jordan, L.J.Wood, "Interplanetary Navigation:An Overview," The Journal of the Astronautical Sciences, Vol.32, No.1, 1984.
 グラフ中の ΔVLBI が Δ-DOR の事である。最も一般的な coherent doppler だけでは、グラフの曲線のような誤差になるが、Δ-DOR を使えば、宇宙機の赤緯に関係なく 50nrad という高精度の方向精度が得られている。

 上記の(2) によると、Δ-DOR は 1970年代末から JPL で使われ始め、その頃の方向推定精度は 100nrad であった。上記の(1), (2)を読むまでは、その後も精度は大きくは改善していないと思っていた。(2) によると、1999年に Mars Climate Orbiter が火星周回軌道に入るのに失敗した事を契機に、Δ-DOR の精度向上と惑星ミッションへの利用を積極的に進めたようだ。Mars Climate Orbiter では、コスト削減のために、Δ-DOR は利用しなかった。通常の Coherent Doppler 計測で火星周回軌道に投入しようとした。その際、姿勢制御用ホイールの unloading で発生する速度変化を軌道決定値に反映する時に、使用している単位のインターフェースが取れていなくて、目標よりもかなり低い高度で火星大気に突入して失敗した。

 2001 Mars Odyssey mission では、Δ-DOR も使い、5nrad レベルの精度を出し、Mars Exploration Rovers や Mars Reconnaissance Orbiter では、2nrad レベルの精度を実現している。約2桁の精度向上を実現している。

 (1)の論文によると、2012年の火星ミッションでは、B-plane 上での精度で 1~2km を実現するとしている。松浦晋也氏の『恐るべき旅路』には、火星で AeroCapture を実施する時に許される誤差は 5km と書かれている。と言う事は、航法精度の点では、Δ-DOR で火星での AeroCapture が可能になるという事であろう。
by utashima | 2006-09-30 10:16 | 宇宙開発トピックス | Trackback | Comments(0)

山内一豊・千代の育てた拾のその後

 9月24日の NHK の大河ドラマ『巧妙が辻』では、千代は、家督争いで拾(長浜城下に捨てられていた男児で、千代が養育した。)が不幸になる事を避けるため、拾を京都の妙心寺に出家させた。その後の拾がどのようになったのか気になったので調べてみた。このサイトの1月30日の所に、拾のその後が記されていた。拾は出家して湘南と名乗り、修業の後、湘南和尚となる。湘南は儒者の山崎闇斎を教育した事で有名らしい。兎に角、立派な人生を送られたようで、良かった。
by utashima | 2006-09-24 21:42 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(0)

腰痛に

 私も本格的な腰痛になってしまった。今までも、思い当たる原因もないのに、椅子から立った時に腰から背にかけて軽い痛みを感じる事があった。我慢すれば1,2日で痛みは消えた。背中か腰の筋肉痛ぐらいに思っていた。従って、腰痛で整形外科に行った事はなかった。

 今回の腰痛も、8月中旬の軽い腰の痛み(今までのものと同様)から始まった。1,2日で回復すると考えていた。しかし、腰の痛みは少しずつ強くなった。8月末のある日、出勤したが午前の勤務を終えた時点で、これ以上の机に着いての勤務はきついと考えて、午後は早退した。そして、整形外科に行った。レントゲン写真を撮った。医師の診断は、『椎間板ヘルニア』であった。この病気は、人間が年を取ると遅かれ早かれ成るものとの事。私は、椎間板ヘルニアは、一部のスポーツ選手などに特有のもので、一般人には無関係の病気と考えていた。後で医師に聞くと、私のそれ以前の軽い腰痛は、椎間板ヘルニアの初期症状だった可能性があるとの事。当時、その事を認識していたら、私の対応も変わっていたかも知れない。痛みと炎症を抑える湿布薬、末梢性神経障害を改善するメチクールという錠剤、末梢の血行を改善するユベラニコチネートという錠剤を貰い、腰に10分間電気を当てる治療をして貰って帰宅した。

 約1週間は、会社を休み、家でなるべく横になっていた。その後、何とか会社に行ける様になったが、咳をすると腰が痛い状態であり、椅子から立ち上がってもすぐには腰が伸びない(伸ばそうとすると極めて痛い)状態であった。こんな状態が1週間くらい続いた。湿布薬と2つの錠剤、整形外科に行っての10分間の電気治療を続けて、少しずつ腰痛が軽減して来た。そして、医師から教わった腰痛体操を毎日行なうようにした。自宅には、祖父が使っている「ぶら下がり健康器」があり、祖父に聞くと、腰痛などにも効果があったそうなので、私も毎日1分間程度ぶら下がっている。昼間の活動で圧縮された椎間板を、ぶら下がる事で改善する事ができるのだろう。

 数日前から、目に見えて腰痛が改善して来た。咳をしても痛みが殆どなくなった。まだ、腰に軽い痛みが残っているので、整形外科への通院は続ける予定。腰痛体操、ぶら下がり健康器、夕方の散歩は、毎日続けようと考えている。PC の前に1時間以上も座り続ける囲碁対局は、暫くは控えようと思う。 
by utashima | 2006-09-23 16:30 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(0)

系外惑星系の新しい軌道決定法

 久し振りに、日本物理学会誌を筑波宇宙センターの図書室で借りて読んだ。2006年8月号である。その中に、『「観測的2体問題」の進展--ある古典的未解決問題に対する厳密解の発見』という浅田秀樹氏の解説記事が目に留まった。2体問題にどんな未解決問題があったのだろうかと興味を持った。この記事は、浅田氏たちが2004年に発表した論文の解説である。

 1995年に最初の系外惑星(太陽以外の恒星などの周りを回っている惑星)が発見されてから、太陽系外の惑星の発見数は200に達したようだ。今までは、主にドップラー法と呼ばれる方法で発見されている。恒星の周りを回る惑星のために恒星自身も共通重心の周りに運動している。その運動による視線方向の速度変化を、恒星から来る光のドップラーとして検出する方法が、ドップラー法である。もう一つ、トランジット法という方法もある。惑星が恒星の前を通過する事で恒星からの光量が減少するのを観測する方法であるが、視線方向が惑星の公転面内付近にないと観測できないため、この方法で発見された系外惑星の数は多くない。

 上記の観測的2体問題は、この系外惑星の軌道決定に関する問題であった。今後は、位置天文的観測の精度も向上し、惑星を持つ恒星の位置のふらつきを精度良く観測できるようになるであろう。位置天文的観測を行なう近未来の宇宙機ミッションとして、ESA の GAIA 計画NASA の SIM 計画、日本の国立天文台の JASMINE 計画などがある。このようなミッションにより、恒星のふらつきが高精度に得られたとしても、周回する惑星が小さいと観測できず、また恒星のふらつきの原因が惑星でなく、ブラックホールや中性子星などの観測に掛かり難いものの場合もある。連星系を構成する2つの天体がどちらも観測できる場合(実視連星)、その共通重心はすぐに判る。しかし、相手の天体が観測できない場合、この連星系の軌道をどのように決定するかが、未解決だったようである。この問題を厳密に解いたのが、浅田氏達である。恒星のふらつく位置を観測する事で、連星系の長半径、離心率、傾斜角、近点引数、連星系の総質量が判るようだ。今後、必要になる軌道決定法であろう。 
by utashima | 2006-09-22 20:45 | 宇宙開発トピックス | Trackback | Comments(0)

mixi に参加

 最近、mixi (Social Networking Service) の上場のニュースが飛び交っていたが、その直前に mixi に参加する事になった。職場の周りにも mixi 会員がおられ、紹介してあげるよと言われていたが、何となくそのままになっていた。9月10日頃、帰省している次男が、私の PC で mixi の画面を開いて何かしていた。聞いてみると、長男からの紹介で参加したという。そこで、次男に紹介して貰って、私も mixi に参加した次第。

 mixi のコミュニティを検索してみた。「歌島」、「尾道」などで。すると、尾道市や尾道市向東町に関係するコミュニティもあった。早速、参加させて貰った。また、「潮騒」の舞台の「神島」のコミュニティもあったので、そちらにも参加させて貰った。「神島」のコミュニティには、神島が昔は「歌島」とも呼ばれており、私の故郷の尾道市の向島もほぼ同時代に「歌島」と呼ばれていて、両者の歴史的関係に関心を持っている事を記した。(このブログのこの記事を参照。) 今のところ、それ以外は殆ど ROM モードである。

 mixi の会員の方々、宜しくお願いします。
by utashima | 2006-09-18 16:02 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(0)

累進屈折力レンズ

 私は現在55歳。18歳から50歳まで、同じ度の近視用メガネ1つだけで生活して来た。いつもメガネをかけていた。

 40代後半から、辞書などの小さい文字が見え難くなった。老化により近くに焦点を合わせる事ができなくなったのだろう。従って、辞書などを見る時は、メガネを外すようになった。その内、通常の文字の書物を読む時も、そのメガネでは苦しくなった。そして、50歳の時、デスク・ワーク用として、PC画面と手元の本の両方に焦点の合う単焦点レンズのメガネを別に購入し、普段はこのメガネを使い、車を運転する時だけそれまでの近視用メガネを使って来た。

 2年位前から、デスク・ワーク用メガネでも、辞書などの小さい文字が見辛くなり、1年前からは普通サイズの文字も見辛くなった。つまり、PC画面と手元の本を単焦点レンズではカバーできなくなってしまった。PC画面を見る時はデスク・ワーク用メガネをかけ、本を見る時はメガネを外す様になった。すると、会社の狭い机の上に外したメガネを置く事になり、非常に煩わしくなった。
 
 そこで、本日(2006年9月7日)、デスク・ワーク用メガネを、累進屈折力レンズに変更した。これは、PC画面から手元までの範囲に連続的に焦点が合うレンズ。 まだ、1日しか使用していないが、思ったよりは使い辛い。PC画面を見る時、今までは、頭を固定して視線だけを動かしてPC画面全体を見ていた。しかし、新しいメガネでは、頭の姿勢も微妙に変えないと、焦点が完全には合わない。頭を固定して視線だけを振っていた習慣を変えて行かねばならない。多分、慣れるだろう。

 ネットで調べていると、『瞬時に焦点が変わる、液晶を使った遠近両用メガネレンズ』という記事があった。今年のニュースである。「メガネをかけている人の視線の方向に合わせて焦点を自動的に変えられる、液晶を使ったメガネレンズを開発した」と書かれている。早く商品化して欲しいものだ。
by utashima | 2006-09-07 23:03 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(0)