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『国家破産以後の世界』と漫画『太陽の黙示録』

 最近、『国家破産以後の世界』という藤井厳喜氏の本(光文社)を読んだ。左のリンク先に、詳細な抜粋が記されている。日本の借金は、現時点で1000兆円以上あるらしい。それだけでなく、毎年国債を発行しないと予算を組む事ができない。世界の先進国のどこも借金を持っているが、日本が飛び抜けて多い。私は昔から、いつになったら、日本は借金を返せるのか、気になっており、書店でこの本を見かけると、すぐに買って読んだ。悲観的な論調の本である。この本の見解が100%正しいかどうか、私に判断する能力は無いが、心配である。

 この本の冒頭に、日本が非常に困難な状況に遭遇する話として、小松左京著『日本沈没』と、かわぐちかいじ著『太陽の黙示録』が紹介されていた。『日本沈没』は1973年に出版された。その時、私は、九州大学の4年生だった。同じ1973年には第1次オイル・ショックがあった。この時は、日本列島自体は沈没する事はなかったが、異常に高騰した物価の高波に溺れそうであった。ガソリン価格も非常に上昇し、就職したら車を持ちたいと思っていた私は、その望みが消えたと思ったものだ。その後、日本は省エネ技術を進歩させ、オイル・ショックから立ち直った。これと同じように、現在の借金から無事に立ち直る事を祈りたい。

 『太陽の黙示録』は、大きな地震が幾つも発生し、日本の本州が琵琶湖の所で東西に分断してしまうという話である。日本政府は、日本だけでは復興が困難と判断し、西半分(サウス・エリア)はアメリカに、東半分(ノース・エリア)は中国に援助を依頼する事になる。嘗てのベトナムやドイツのような分断国家になる危険がある。現在、第7話まで読んだところ。こんな事が現実にならない様に祈りたい。
by utashima | 2006-04-29 17:36 | 読書 | Trackback | Comments(0)

太陽-地球系 L2点周りのハロー基準軌道の設計(その2)

2.ハロー初期軌道の作成
 本報告では、SQP 法を用いてハロー基準軌道を設計するが、そのためには適当な初期軌道が必要である。欧米の手法では、制限三体問題の高次解析解を使用するが、ここではその線型解までの使用に留める。初期軌道は、半周(約90日)単位の軌道をミッション期間に亘り繋ぎ合わせて作成する。半周単位の軌道は、L2点中心回転系の xz 平面上の点から再び xz 平面に戻るまでとし、その作成には簡単な線型解を使用する。半周単位の軌道の接続点においては、一般に位置と速度は不連続になっており、SQP 法にて位置・速度の gap が無い基準軌道を求める。
 2.1節において、初めにハロー初期軌道の作成法を述べ、次に Az =13万km のハロー軌道を例にして、摂動源を変えた場合の幾つかの初期軌道を示す。Az はハロー軌道の z 方向の半径である。2.2節では、その初期軌道作成法を利用して、Ay と Az の関係を示す。

2.1 ハロー初期軌道の作成法
c0011875_23494268.jpg 初期軌道は、図2-1 の xz 面上から出発して xz 面に戻るまでの半周軌道をたくさん接続して作成する。その接続点において、位置と速度は必ずしも連続している必要は無い。リサジュ軌道の場合は、通過 x 値を固定した初期軌道を使用した。その場合、位置は接続点において連続になっているが、速度は不連続であった。
 ハロー軌道の場合は、位置、速度共に不連続な初期軌道を使用する。1997年発行の技術レポート『ラグランジュ点近傍の軌道力学』の24~26頁に、円制限三体問題の場合のハロー軌道の計算法を記している。基本的には、これと同じ方法を使用する。以下に、その方法(基本アルゴリズム)を記す。

基本アルゴリズム(微分修正法による半周ハロー軌道の計算)
(1)3つの未知パラメータ
 ・半周の飛行期間 T ( xz 平面を出発してから、xz 平面に到達するまでの期間)
 ・初期 x 値
 ・初期 v 値 (速度ベクトルの y 成分)
 他に、以下の初期条件を使用する。
  y0 = 0, z0 = 指定値, u0 = 0, w0 = 0
(2)3つの終端条件 (飛行期間T後に xz 平面に垂直に入るという条件)
 ・y(T) = 0
 ・u(T) = 0
 ・w(T) = 0
 3つの未知パラメータに線型解から得られる初期値を与えて、微分修正法(ニュートン法)で解く。微分計算には前進差分の数値微分を使う。非線型性が大きくなると、単純なニュートン法では発散する事が考えられるので、減速係数を指定できる簡易版の減速ニュートン法を適用する。
 上記の基本アルゴリズムを使うハロー初期軌道の作成法を以下に記す。

ハロー初期軌道の作成法
 上記の基本アルゴリズムを使い、以下の方法で作成する。簡単のため、第1半周は x < 0 から始まるとする。
 (a)各半周の計算は、基本アルゴリズムを使う。
 (b)第1、3、・・・半周(奇数番目の半周回)の z0 は全て同じ値とし、ユーザーが指定する。
 (c)第2、4、・・・半周(偶数番目の半周回)の z0 は、直前半周軌道の終端値を使用する。
この作成法では、xz 面において、位置・速度は一般に不連続になる。但し、円制限三体問題近似では、その不連続性は微小である。

Az =13万km のハロー初期軌道の計算
 上記のハロー初期軌道作成法を、Az =13万km のハロー軌道に適用してみる。その際、(1)円制限三体問題近似、(2)楕円制限四体問題近似(地球軌道の離心率と月潮汐力を考慮)の 2つの摂動モデルを想定する。

(1)円制限三体問題の場合
 初めに、円制限三体問題の場合に対して、5年間のハロー初期軌道を作成する。減速係数は1.0 (純粋なニュートン法) で収束した。各半周軌道の計算は、8~9 回の iteration で収束した。各接続点における位置と速度の gap の最大値は、それぞれ 4e-5 km と 4e-3 mm/s 以下であった。図2-2、図2-3、図2-4 に、得られた軌道の xy 平面図、yz 平面図、xz 平面図を示す。
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(2)楕円制限四体問題(地球軌道の離心率+月潮汐力を考慮)の場合
c0011875_23123221.jpg 次に、地球公転軌道の離心率と月潮汐力を考慮した時の初期軌道を作成する。春分の日付近で月の位置が異なる3つの初期時刻に対して検討した。それらの初期時刻は、2006年3月23日0時UT、同年3月15日0時UT、同年3月30日0時UTである。これらの3つの初期時刻における月の位置を図2-5 に示す。
 各半周軌道は、34~37 回の iteration で収束した。単純なニュートン法では収束せず、減速係数 0.5 を使用した。3つの初期時刻の軌道に対する位置と速度の最大 gap を表2-1 に示す。非常に大きな gap である。

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  以下に3月30日0時UTが初期時刻の場合のハロー初期軌道を図2-6、図2-7 に示す。
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 リサジュ基準軌道の設計の場合では、SQP 法による収束の過程で、10 桁の速度 gap の改善がなされた。ハロー初期軌道では、表2-1 より、約10万km の位置 gap と約100m/s の速度 gap があるが、もし SQP 法による収束過程で10 桁の改善がなされれば、1e-5 km の位置 gap と 1e-5 mm/s の速度 gap となる。
 
ハロー基準軌道の gap の目標値
 基準軌道の gap は、軌道決定誤差との比較において考察するのが妥当であろう。現状の太陽‐地球系 L1, L2 点軌道の軌道決定誤差は、位置で約 1km, 速度で約 1mm/s である。上記の SQP 法による10 桁の改善がなされれば、軌道決定誤差より 5 桁小さい gap となる。
 一方、数値積分においては、積分誤差が避けられない。本報告で使用した RKF (Runge-Kutta-Fehlberg) 法では、ハロー軌道の半周の軌道計算において、位置で約1e-5 km, 速度で約1e-5 mm/s の積分誤差となる。これらも軌道決定誤差より 5桁小さい値である。
 以上の事より、ハロー基準軌道の gap の目標値として、軌道決定誤差より 5桁小さい値を設定する。

2.2 Ay, Az の関係
 ハロー軌道の設計自由度は Az だけであり、Az を指定すればハロー軌道が決まる。但し、trajectory を yz 平面で眺めた時に、時計回りに回転するものと反時計回りに回転するものとが存在する。本報告では、時計回りに回転する場合を扱う。反時計回りの場合も初期条件が異なるだけで同様である。
 Az は、主に、宇宙機が地球の影に入らないためと、地上局からのコマンドを受信する際の太陽雑音の影響を軽減するための2つの制約を考慮して決められる。地球の影に入らないためには、Az は 1.3万km 以上であれば良い。コマンド受信時の太陽雑音の影響は、地上局の送信パワーにも依存する。ここに参考情報として、Ay と Az の関係を記す。円制限三体問題の場合は、求めた初期軌道の gap が既に軌道決定誤差より 3桁程度小さく、初期軌道をそのまま基準軌道と見なしても良い程度のものである。そこで、円制限三体問題近似において、色々なAz に対するハロー初期軌道を設計してみた。その結果を表2-2 と図2-8 に示す。図2-8 の青線が表2-2 の点を結んだものである。
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 以下の式の形に最小二乗法でフィッティングして、係数 k1、k2 を求めた。
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そして、L2点ハロー軌道に対して、次式を得た。
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図2-8 内の赤線が(2-2)式を描いたものである。

 ***(その3) に続く・・・***
by utashima | 2006-04-27 00:31 | 宇宙機の軌道設計/ 解析 | Trackback | Comments(0)

太陽-地球系 L2点周りのハロー基準軌道の設計

 2005年2月に『太陽-地球系L2点周りのリサジュ基準軌道の設計』という JAXA Research and Development Report (以下、RR と略す)を発行したが、それに引き続いて、2005年11月に『太陽-地球系 L2点周りのハロー基準軌道の設計』という RR を発行した。左のリンク先は JAXA 公開ホームページ内であり、2006年4月21日から公開されている。本記事では、この RR を紹介する。

1.はじめに
 L1, L2点ミッションでは、大きく分けてハロー軌道とリサジュ軌道のどちらを採用するかを考える必要がある。L1, L2点は不安定平衡点であり、ハロー軌道とリサジュ軌道は共にこれらの点を回る軌道である。図1-1 に黄道面内に投影した trajectory を、図1-2 に黄道面に垂直な面に投影した trajectory を、模式的に示す。黄道面内の形状は、ハロー軌道もリサジュ軌道も殆ど同じである。ハロー軌道やリサジュ軌道の L1, L2点周りの周期は約半年である。
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 図1-1、1-2 の y 方向半径 Ay を単にサイズという事が多いが、サイズが約 65 万kmより小さいと、xy 面内運動と z 方向運動の周期が異なり、リサジュ軌道となり、それより大きいとxy 面内運動と z 方向運動の周期を一致させる事ができ、ハロー軌道を実現できる。
 ハロー軌道とリサジュ軌道の長所・短所などを比較すると、表1-1 のようになる。本報告ではハロー軌道を対象とする。リサジュ基準軌道の設計については、本ブログの『太陽-地球系 L2点周りのゼロ ΔV リサジュ基準軌道の設計 2004年』を参照。
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 太陽‐地球系 L1, L2 点周りの軌道は、発散時定数が約23日の不安定軌道であるため、数ヶ月間隔の精密な軌道保持制御が必須であるが、軌道決定誤差や軌道制御誤差があっても、姿勢系からの大きな外乱がなければ、年間 1m/s 程度の ΔV で軌道保持できる。これらの軌道保持は、正確な摂動モデルの下で ΔV ゼロで構築できる基準軌道を初めに作成しておき、それを実現する様に数ヶ月間隔で保持制御を行なう事で実現される。欧米では制限三体問題の高次(3次以上)の解析解を求め(月・惑星の影響も考慮している場合あり)、それを初期軌道として、各半周軌道(約90日間)の位置・速度の matching 条件を満たす解を数値的に求める事で、ΔV ゼロの基準軌道を作成している。
 上記の欧米の方法は高次解析解を必要とする難点があるため、本報告では、非線型計画法の解法の一つである SQP (Sequential Quadratic Programming)法を使い、高次解析解を求める事なく、ΔV ゼロのハロー基準軌道を設計する事を考える。摂動としては、地球公転軌道の離心率の影響と月潮汐力を考慮する。

*** (その2)に続く・・・***
by utashima | 2006-04-23 11:37 | 宇宙機の軌道設計/ 解析 | Trackback | Comments(0)

55歳の誕生日

 2006年4月22日、私の55回目の誕生日です。55と言えば昔は、コント55号を思い浮かべましたが、最近はヤンキースの松井秀喜(背番号55)です。今年も頑張って欲しいものです。今まで、ホームランの度に元気を貰っていました。

 誕生日と言っても、何も変わった事はありませんが、今日は、GEOで松山千春のCDを借りて来ました。『松山千春 BEST#32』です。「長い夜」が入っていないのは残念でした。彼の歌は昔から好きでしたが、今日のお昼のテレビ番組(彼がゲストとして登場)を見て、色々と聞きたくなりました。良い映画を観た後は、頭がリセットされた様なすっきりした感じになりますが、彼の歌を聞いた後も似たような感じになります。彼の歌は好きだと書きましたが、名前を知っている曲と言えば、「長い夜」、「季節の中で」位に過ぎません。32曲全てを聞いてみて、「夜明け」という曲だけ、歌詞をしっかり覚えていました。何故、この曲を良く知っていたのか、思い出せません。ネットで検索すると、このページに行き当たりました。この曲は1979年のNHKの銀河テレビ小説の主題歌だったようです。27年前。その頃、その番組を見ていた可能性は有る。これで、すっきりした。
by utashima | 2006-04-22 17:13 | イベント | Trackback | Comments(0)

5万カウントの感謝とタグ機能の試行

c0011875_12482512.jpg 2004年12月12日から開始したこのブログのカウント数が、本日(2006年4月12日)、5万になった。このカウントを偶々私がゲットした。その証拠画像を右に示します。なお、本日は年次休暇を取っており、自宅でゲットした。

 右の画像の上半分に、「タグ」の欄がある。これは、エキサイト・ブログが4月5日から開始した新しい機能である。各記事に3つまでのタグを設定できる。そのタグの種類は、20種類までとなっている。それまでも、内容により、幾つかのカテゴリに分けて記事を書いていた。この「タグ」は、カテゴリとは別の軸での分類を可能にするものである。20個しか設定できないので、どのような単語を設定するか悩むところ。全体の記事を振り返りつつ、個々の記事を読み返して、「タグ」を少しずつ設定している状況である。まだ、完成していない。どの程度、有効なのかも未知数だ。
by utashima | 2006-04-12 12:51 | ブログ作成の経過 | Trackback | Comments(0)

桜と気象研究所の鉄塔

 今年(2006年)の桜は、つくば市でも満開の時期を過ぎ、下の写真のように葉が見えるようになって来た。これは谷田部東中学校の横の桜である。
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 上の場所から西に進むと、気象研究所の鉄塔が目立ってくる。この通りに沿っても、桜が植えられている。

(注)当初、この鉄塔は高層気象台のものと勘違いしていた。以下の棚橋さんのコメントにより、気象研究所のものである事を知った。棚橋さん、有難う御座います。これに関連して、記事の一部を修正しました。

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 下から鉄塔の頂上付近を見上げると、213m の高さに圧倒される。
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 つくば市にあるこの鉄塔は、いつ頃できたのかと思い、調べてみた。以下に引用した『未成年の禁酒・禁煙法の父、根本正の生涯』というホームページが引っかかった。これによると、高層気象台(観測塔ではない)は1920年(大正9年)に作られていた。
つくば市に高層気象台がある。読者の皆さんがもし常磐高速道を使うことがあるとしたら、三郷インターから北上するとしばらくして左前方に航空法によって定められたストロボランプ点滅する高い塔を見ることが出来る。それが高層気象台の観測塔だ。つくばの住人は高速道路を通って帰るおりに、その塔を見ることによって帰ってきたと実感するのである。この高層気象台は大正9年に設立された。その計画はさらに明治43年に帝国議会に提出した根本正の建議書に起源をたどることができる。彼は5回におよぶ建議により彼の地元、茨城に高層気象台の建設を現実のものとしたのであった。富士山レーダはその使命を気象衛星に譲ったが、高層気象台は気象研究所の中に機能し続けている。まさに100年の計である。

 上記の引用では、高層気象台の観測塔と書かれているが、棚橋さんが指摘されているように(以下のコメント欄を参照)、この観測塔は気象研究所の観測施設であり、1975年(昭和50年)に建設されている。高い鉄塔という事から高層気象へと連想してしまったのが誤解の1要因であろう。213mという高さは、下から見ると確かに高いが、高層気象台の主対象は更に1桁以上高い領域であろう。
by utashima | 2006-04-09 11:10 | つくば近傍探訪記 | Trackback | Comments(2)

新生尾道市

c0011875_18941100.jpg  広島県広報室は、『すこぶる広島』というタイトルの季刊の広島県グラフ誌を発行している。右の写真は、その最新号である。その中に、「新しいまちが生まれた ●尾道市 (今日の尾道をご案内します) 」という記事があった。

 読んでみて、合併により尾道市がかなり広くなっている事を知った。昨年11月に帰省した時、向島の西半分の向島町も尾道市になった事を知った。尾道市のホームページによると、2005年3月28日に合併している。現在は更に、因島市、豊田郡瀬戸田町(耕三寺で有名)とも合併している。これは2006年1月10日である。

 この記事によると、6年ほど前に「観光パートナー尾道の会」が結成され、毎週末に、JR 尾道駅前の広場に「おのみち観光案内」というのぼりをくくり付けた青いパラソルが立ち、黄色のジャンパーを着たボランティアの人たちが観光客を出迎えてくれるとの事。千光寺、浄土寺、大林監督の映画のロケ地などの写真も掲載されている。浄土寺は、法隆寺建立から約10年後に建てられた非常に古い歴史を持つ寺である事を初めて知った。いつか、尾道の寺々をゆっくり訪れたいと思った。
 
by utashima | 2006-04-08 18:06 | 歌島姓・尾道 | Trackback | Comments(0)

Gyao で 『アロー』 を観た

 Gyao で 『アロー』 を観た。Gyao の解説には、以下のように書かれている。
幻の世界最速ジェット戦闘機“アロー”の開発をめぐる、事実を基にしたスカイ・サスペンス・アクションです。未だ航空機史上で多くが謎とされている、戦闘機“アロー”にまつわる悲劇的な運命を、フィクションを交えドラマティックに再現! 国家の陰謀、翻弄される航空機産業、そしてその背後に潜む米国との外交問題を軸に、物語は終盤に向かってスリリングに展開していきます!!

 私はジェット戦闘機が好きで航空工学を専攻したものであり、第二次世界大戦以降のジェット戦闘機については殆ど知っていると思っていた。しかし、アローという戦闘機は記憶に無かった。Google で検索してみると、フィクションではない事が判り、約3時間という長い映画ではあったが、最後まで引き付けられて観た。アロー開発は予算をかなりオーバーしたが、要求性能は満足できる所まで来ていたらしい。いよいよ生産開始という時、ソ連がスプートニクを打ち上げた。そのため、もはや戦闘機の時代ではなく、ミサイルの時代だという事になり、カナダ政府の判断により、アロー計画は中止された。アローの要求性能は、当時のアメリカの航空産業も不可能と判断した高いものだったが、カナダのアブロ社の技術陣はクリアした。カナダ政府の決断には、アメリカ政府の意向がかなり影響したようだ。アローを開発した技術者の一部は、アメリカに移ってジェミニ計画やアポロ計画に参加したとの事。また、アローの技術は、英仏共同開発のコンコルド開発にも反映されたとか。
by utashima | 2006-04-03 19:07 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(2)

オデッセイのタイヤ2回目の換装

 昨日、ホンダ・オデッセイの2回目のタイヤ換装を行なった。4本の全てのタイヤを新しいものに換える意味で、「換装」という言葉を使ったが、通常この単語を使用するのか判らない。オデッセイは、1996年に購入したから、10年乗った事になる。全て正常に動作しているので、まだまだ乗り続ける予定である。

 昨日、いつも利用しているガソリン・スタンドで給油した。サービスマンの方が、「タイヤ表面にひび割れができている事と、タイヤ番号から2001年のものと考えられるので、新しいものに取り替えた方が良のでは」と、教えてくれた。そして、その店で扱っているダンロップのミニバン用の 「RV 502」 を推薦してくれた。その場は、「検討してみます」と答えて帰った。帰宅して、いつタイヤを換装したか、パソコンに保存している記録を調べてみた。2001年8月に取り替えていた。そして、その時も、同じガソリン・スタンドで換装を勧められ、その店で購入した事を思い出した。あれから、5年たち、約4万km走っている。トーヨータイヤのホームページにも書いてあるように、表面のひび割れはゴムの劣化を示しており、換え時と判断した。近所にあるイエローハットも覗いてみた。そこでは、ヨコハマタイヤのこれを薦められた。帰宅して、ホームページで両者を比較してみた。どちらも非対称パターンを採用しており、私にはどちらも同等と思われた。そこで、タイヤの劣化を見つけて換装を薦めてくれたガソリン・スタンドで購入する事にし、夕方、換装を済ませた。

 タイヤの寿命を判断する時、スリップサインの有無も判断材料となる。私はスリップサインを言葉では知っていたが、今まで目で確認した事がなく、どのように見えるのか判っていなかった。ダンロップのホームページの「タイヤ基礎知識」に判り易く説明されている。今後、どのようにタイヤが劣化していくかをモニターしたいと思い、新品の状態の写真を撮っておいた。以下が、前輪右側の最も磨り減ると思われる新品タイヤである。真ん中の少し下に、将来、スリップサインとなる部分の存在が判る。
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by utashima | 2006-04-02 16:31 | 最近考えている事 | Trackback | Comments(0)

「だいち」軌道を例にSTKソフトの問題点の一つを紹介

 最近、STK(Satellite Tool Kit) に地球観測衛星「だいち」の軌道を設定して地上軌跡などをシミュレーションする事があった。その時、STK のバグに近い問題点を再発見したので、ここに紹介する。他の人たちが、同じ現象に出くわして間違った結果を使う事が無いようにと思って。上に「再発見」と書いたのは、同じ現象を 2年位前にブリザドさんが体験されていたからである。その時の STK のバージョンは、5 だったと思う。そのすぐ後に、ブリザドさんは AGI 社の日本代理店に報告された。しかし、代理店からは何の返事もなかった模様。現在、職場では ver.6 と ver.7 を使える状態にある。私は ver.6 を使っている。上記の再発見は ver.6 で行なった。ver.6 でも改善されていなかった。自宅では、無料版の ver.7 をインストールしている。自宅でも試してみたが、同じく改善されていない。

 以下、現象の詳細を説明する。STK で衛星軌道を設定する時、普通 Orbit Wizard という機能を使う。「だいち」の軌道は、太陽同期準回帰軌道なので、その Wizard の中の 「Repeating, Sun Sync」 というメニューを選択する。下の図がその時の画面である。以下、自宅で行なった無料版の ver.7での画面である。
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 すると、以下の軌道設定パラメータを入力する画面が現れる。回帰周回数 X (元の軌跡に戻るまでの周回数)を右上の枠に入力する。ここでは、「だいち」の軌道の 671 を設定している。671 については、後でより詳細に述べる。問題なのは、左側の枠内の設定である。近似高度か 1日当たりの近似周回数のどちらかを設定するようになっている。
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 私は、初めは、近似高度を指定した。「だいち」の高度は 691km 余りなので、700km を入力した。すると、STK は高度 794km の軌道を出力した。100km も異なる軌道である。近似高度に 691km を入力しても同じ軌道になる。そこで、その下の近似周回数を指定する方を選択してみた。「だいち」の 1日の周回数は、正確には、15-19/46 であり、小数で近似すると、約14.587 である。そこで、15 を入力してみた。今度は高度 485km の軌道になってしまった。14 を入れると高度 794km の軌道になる。14.5 を入力すると、やっと正しい「だいち」の軌道になった。14.4 でも OK である。しかし、14.6 を入れると、高度 589km の低い軌道になってしまう。ここまでの試行から、誤差が 0.5 を超えない程度で、尚且つ真値を超えない周回数を入力しなければならないと推測できる。なお、1日の周回数が整数に近い場合は、このような問題は発生しない。この情報を知っていれば、Orbit Wizard を使えるが、結果の軌道については、常にチェックする必要がある。そのチェックには、このブログのこの記事の図が利用できる。但し、この図は太陽同期の場合であるので、太陽非同期には適用できない事に注意。

 回帰周回数と、近似高度又は近似周回数を入力する STK の方法より、以下に述べる N, M, L を直接入力する方が良いと思う。20年以上前に自作したソフトでは、N, M, L を入力するようにしている。

 ここで、準回帰軌道のパラメータについて、説明する。
 衛星軌道面に相対的な地球自転周期(太陽同期軌道の場合は正確に 1日、太陽非同期軌道の場合は約 1日)の間の衛星の周回数が次のように有理数で表わされる時、この軌道を準回帰軌道という。
       N+L/M
              N: 日周回数   M: 回帰日数   L: 日移動数
なお、|L|≦M/2 としている。X=NM+L を回帰周回数と呼ぶ。

 地球観測衛星の初期の頃は、|L|=1 の軌道だけであったが、その後、1 以外の |L| を持つ軌道が多くなった。M/|L| を概回帰日数(サブサイクルとも言う)と呼び、この日数毎に元の軌跡の近くに戻る性質がある。この性質を簡単な例で下図に示す。1日の周回数が N-2/5 の場合を考える。このように L が負の数の時、1日後には西側に |L| 個だけずれた軌跡を通過する。
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 この性質を使うと、観測幅の狭い高分解能センサーと観測幅の広い中分解能センサー(又はポインティング機能)の 2つのセンサーが要求する異なる軌跡間隔を実現できる。つまり、2π/X が高分解能センサーの要求する軌跡間隔になるように X を決め、2π|L|/X が中分解能センサー又はポインティング機能が要求する軌跡間隔になるように L を決めれば良い。「だいち」もこの性質を利用した軌道設定になっており、上に書いたように、15-19/46 と設定されている。回帰日数は 46日と長いが、概回帰日数は 46/19=2.42 と 2 に近い数であり、搭載センサーの一つの AVNIR-2 のポインティング機能(±44度)を使えば、2日毎に任意地点の観測が可能となる。

 以下に、「だいち」の軌道からオフナディア角44度の範囲で観測できる領域を 2周回に亘って表示した図を示す。翌日はこの間の領域を観測できるため、どの地点も 2日毎に観測できる事になる。図中の青いたくさんの軌跡が、赤道を X=NM+L=15×46-19=671 本通過している。
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by utashima | 2006-04-01 01:36 | パソコン | Trackback | Comments(4)