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ボーズ粒子、フェルミ粒子、ボーズ-アインシュタイン凝縮、超流動、超伝導

 岩波書店発行の『科学』2006年10月号を読んでいる。この号は、特集「物理を変える!光科学の挑戦」と題して、最近の光の研究の進歩が述べられている。その中で、上田正仁氏(東京工業大学)の「量子物理学の新時代の幕開け」というコラムを読んで"なるほど"と思った事がある。それは、量子統計性の話。

 ボーズ粒子、フェルミ粒子、ボーズ-アインシュタイン凝縮、超流動、超伝導について、判り易く書かれている。同種粒子2個から成る波動関数において、粒子を入れ替えた物と元の物とが識別不可能な状態を記述している条件から、粒子には 2種類あり、それらがボーズ粒子とフェルミ粒子である事が述べられている。光子はボーズ粒子、電子、陽子、中性子はフェルミ粒子である。

 フェルミ粒子が偶数個集まるとボーズ粒子に、奇数個集まるとフェルミ粒子となる。フェルミ粒子にはパウリの排他原理が存在し、2個以上が同じ状態でいる事は出来ない。ボーズ粒子は、幾つでも同じ状態で存在でき、ミクロの性質がマクロのスケールまで現れるボーズ-アインシュタイン凝縮が可能。

 液体ヘリウムの超流動は、ボーズ-アインシュタイン凝縮の現れであり、フェルミ粒子である電子が 2つペアを組んでボーズ粒子として振る舞う事でボーズ-アインシュタイン凝縮を起こしたのが、超伝導であるという。量子力学はきちんと勉強した事はないが、良く判ったような気がした。
by utashima | 2006-12-17 17:32 | 読書 | Trackback | Comments(0)


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