ウォーキングの途中に近所の書店に寄り、本や雑誌を眺めていた。JWings (1月号) という雑誌が目に止まった。それは、F-35 という文字が表紙の左隅に見えたからである。早速、購入した。航空雑誌を買うのは何年振りだろう。10年以上買っていない気がする。航空工学科の学部時代は、航空関係の雑誌をしばしば購入していた。
F-35 に関心がある理由は、VL (Vertical Landing) 機能を持つ F-35B があるからである。VL 機能と言うと、イギリスが開発した
ハリアーが有名である。私が九州大学の2年生の頃、名古屋で開催された航空ショーにハリアーが来るというので、学生割引のスカイメイトを利用して飛行機に乗って見に行ったものだった。名古屋に行く便の席が取れず、大阪まで飛行機で行き、そこから近鉄を利用して名古屋へ行った。ハリアーが降りて来て空中停止し、頭を下げて観客に挨拶する姿を目の前で見る事が出来た。そのハリアーの後継となりそうなのが、F-35B である。学生時代にハリアーを見てからでも、30年以上経つ。こんなに長い間、後継機が現れない機種も珍しいのではなかろうか。それだけ、ハリアーの出来が良かったからなのか。
F-35 は、上記の F-35B の他に、通常の離着陸をする F-35A、空母に搭載される F-35C も作られる計画であり、合わせて
Joint Strike Fighter とも呼ばれている。1993年に計画が開始され、2001年にシステム開発実証(SDD:System Development and Demonstration) に進む機体がロッキードマーチン社の X-35 に決まった。2001年までは、ボーイング社とロッキードマーチン社が、競っていた。X-35 のフェーズに、ロッキードマーチン社のホームページから X-35 の試験飛行の Video をダウンロードして眺めていたが、その後の進捗状況が判らなかった。今日、雑誌を読んで、最近の状況が掴めた。SDD フェーズでは 15機の X-35 が作られるが、その1号機 F-35A が今年2006年の7月7日にロールアウトしていた。プロジェクト名は、F-35 Lightning II とアナウンスされた。予定では、年内に初飛行するらしい。上の画像は、試験飛行中の X-35 であり、私の自宅の PC の壁紙にしているものである。
この PDF ファイル (5.7MB)に、2006年9月時点のかなり詳しい情報が公開されている。
米国は、F-15 の後継機として F-22 ラプターを開発しており、極大雑把に言うと、それ以外の戦闘攻撃機を全て F-35 に置き換えようと考えているらしい。海外にも、F-16 の後継機として販売していく積もりの様だ。開発には、イギリス、イタリア、オランダ、オーストラリア、カナダ等の国々も参加している。2010年頃からの運用を考えているようだが、当初の見込みより開発費が膨らんでいるらしく、順調に配備まで進むかどうか。