Google Earth で見た世界の素粒子加速器(1)

 重力波検出器と同程度のサイズを持つ物理実験施設として、素粒子加速器がある。第1回目は、日本の高エネルギー加速器研究機構 (KEK)、アメリカのスタンフォード線形加速器センター (SLAC) とブルックヘブン国立研究所(BNL)、ヨーロッパの欧州原子核研究機構 (CERN) の Google Earth による衛星画像を紹介する。

1. 高エネルギー加速器研究機構 (KEK)
 日経サイエンス2006年8月号に、以下の6頁の対談記事がある。

   茂木健一郎と愉しむ科学のクオリア
 高エネルギー加速器が拓く新たな物理の地平
     ゲスト:山内正則(高エネルギー加速器研究機構教授)

この記事にあるように、KEK では、B ファクトリと呼ばれる加速器(1周約3km)を使い、CP 対称性の破れを探る実験をしている。この実験は、粒子と反粒子の振る舞いの違いを明らかにし、大統一理論の最小モデルであるSU(5)モデル(この理論が予言した陽子崩壊が観測されなかった)に替わるものと考えられている超対称性理論への橋渡しのデータを得ることが目的のようである。KEK のこの頁にB ファクトリーの最近のプレスリリースがある。以下に、KEK の全景衛星画像を示す。KEK はつくば市の北部にある。
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2. スタンフォード線形加速器センター (SLAC)
 この SLAC でも、KEK の B ファクトリーと同じテーマの実験を続けており、両者は激しく成果を競っている。SLAC では、長さ 3.2km の直線状の加速器を使っている。以下に衛星画像を示す。サンフランシスコの南に位置する。下の画像をクリックして左下を見ると、緯度・経度が表示されている。
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3. ブルックヘブン国立研究所(BNL)
 これもアメリカにある素粒子加速器の研究所。ニューヨークの東にあるロング・アイランド島の東部に位置する。日経サイエンスの2006年8月号に、こんな記事が掲載されている。BNL では、RHIC(リック)という加速器を使い、金の原子核を光速の99.99%まで加速して正面衝突させ、ビッグバンから数マイクロ秒経った付近の状態を再現している。RHIC は周長が約3.8km の2つのリングを使う。2つのリングは6ヶ所で交差しており、その4ヶ所に実験装置が設置されている。上記の日経サイエンスの記事を読むと、日本の研究グループも大きな貢献をしている事が判る。以下に、BNL の衛星画像を示す。
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4. 欧州原子核研究機構 (CERN)
 CERN は世界で最も有名な素粒子加速器施設であろう。CERN は現在、LHC (Large Hadron Collider) という RHIC を凌ぐ大型ハドロン衝突型加速器を建設している。2008年に稼動を始める。 LHC は全周27km の円形で、スイスとフランスに跨って設置されている。LHC では、ビッグバンから 1マイクロ秒後の状態をシミュレーションできる。以下に、CERN の衛星画像を示す。しかし、CERN の加速器は、地下トンネルに作られているためか、衛星からは見えない。白線が LHC の大体の直径である。黄色の線がスイスとフランスの国境。白線の下の端に、CERN の本部がある。右下には、ジュネーブ国際空港がある。
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by utashima | 2006-08-20 12:01 | パソコン | Trackback | Comments(0)
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