『不平等をめぐる戦争(上村雄彦著)』を読んで

 集英社新書から表記の本が出版されている。副題は「グローバル税制は可能か?」である。世界の経済格差は、どんどん拡大している。以前は総中流社会と言われた日本においても、貧困率の増大が問題になっている。貧困が次の世代に及ぶことを可能な限り防ぐ必要があり、親が貧困であっても、努力すれば高度な教育を受けられるように、給付型奨学金を増やそうという政策が、日本でもやっと開始されることになった。また、高速なコンピューターを使った投機的な金融取引を行なって暴利をむさぼり、得た利益をタックス・ヘイブンに集めて税金逃れをしている等の事が、報道されている。

 高額な所得や高額な資産を持つ人達からもっと沢山の税金を取るべきだと以前から考えていた。税率が高い国からタックス・ヘイブンに資金を移して巨利を得る事もできないようにすべきと思っていた。しかし、これらの事は、実現はできないのだろうと諦め気分であった。しかし、この本を読んで、グローバル・タックスと考えられる幾つかの国際的な税制が稼働を始めている事を初めて知った。その一つが、航空券連帯税である。航空券連帯税は、感染症対策を中心とした国際協力を目的に、実施国を離陸する国際線のすべての乗客に課税するもの。これは2006年からフランスで導入され、現在14か国で導入されている。日本はまだ実施していない。2011年9月には、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が、欧州金融取引税を各国が導入する指令案を出している。現在は議論が行われている段階らしい。日本でも、グローバル連帯税推進協議会(第二次寺島委員会)の最終報告書が2015年に出されている。
by utashima | 2017-04-02 19:57 | 読書2 | Trackback | Comments(0)
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