明治から昭和の戦争の歴史

 2016年7月30日、NHK総合で放送された夫婦の愛と絆を描く終戦スペシャルドラマ『百合子さんの絵本 〜陸軍武官・小野寺夫婦の戦争〜』を観た。陸軍武官の小野寺信は、妻百合子を伴って、スウェーデンの首都ストックホルムで駐在武官として勤務した。1945年2月に行なわれたヤルタ会談の密約を諜報活動に依り入手する。密約とは、ドイツ降伏後3か月以内にソ連が日本に攻め込むというもの。小野寺は百合子に暗号化して貰って日本に打電する。しかし、日本の上層部は、握り潰した。

 この番組を観て、小野寺信の事をもっと知りたいと思い、以下の2つの本を電子版で読んだ。

(1)岡部伸著:『消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い』(新潮社、2013年)
 今の日本には英国のMI6や米国のCIAのような諜報機関はないが、第二次世界大戦の頃までは小野寺信のような駐在武官らが諜報活動をしていた。私はこの事自体をこれまで知らなかった。小野寺は当時欧州では恐れられた日本のエージェントだった。ソ連が日本に攻め込むという重大な情報を小野寺から手に入れながら、日本の上層部は既定の方針(ソ連に太平洋戦争の調停を依頼しよう)に不都合という事で無視した。日本は昔から現場の人間は凄いが、上層部がお粗末なのか。

(2)加藤陽子著:『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社、2015年)
 この本は、日清戦争から太平洋戦争までの日本人の選択を、中高校生と考えようと思った著者が、2007年の冬休みの5日間に中高校生十数名に行なった講義をまとめたもの。分かり易くて良い本と思った。

日清戦争(1894〜1895年)から10年後に日露戦争(1904〜1905年)、更に10年後に第一次世界大戦(1914〜1918年)、その十数年後に日中戦争〜太平洋戦争と、日本はほぼ十年毎に戦争していた。太平洋戦争に負けてから現在まで71年。この期間を無限大に延長したい。
by utashima | 2016-10-01 15:21 | 読書2 | Trackback | Comments(0)
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